人の心は、何を見つめるのか

ツイッターで、ネットで、膨大な情報が流れています。
真実もあれば、デマもあり、安全の押し売りもあり、まだ起こっていない危険を警鐘するものもあり、少しは原発について勉強してきたことがある私でも、もうどれを信じていいのか混乱してしまいます。
だから、私は予測しておかなければならない危険を教えてくれる情報には感謝するけれど、たとえ、それが真実でも、人々の立ち上がる力を失わせるような絶望的な情報は、とりあえず心のあっち側に封じこめておくようにしています(そういうものには、今は耐えられません)。
かといって、実際起きてしまっている危険をきちんと語らず、まったく人体に影響がないかのようにいう人たちを信じることはできません。
放射性物質の危険は、テレビで繰り返されるレントゲンのような線量だけではなく、放射性を帯びてしまった埃などを吸いこんでしまった時の内部被爆こそが怖いのです。どうか、近距離の皆さまは必ずマスクを。
今、日本人は、もう一度立ち上がり、元気に働きたいのです。だから、そんな力になる情報を下さい。
そして、未曾有の危機に、被災地で働いて下さっている皆さま、原発の電気修理、放水をして下さっている皆さまに、深く敬意と感謝をおくりたいです。心深くから感謝するからこそ、今後は、必ず誰かが犠牲にならなければ運転できないような原発を推進なんかできません。少しずつでも減らしてもらいたいです。
電力会社の技術者さんも、自衛隊の隊員さんも、消防庁の消防士さんたちも、誰も犠牲にしなくていい世の中を目指してほしいです。
彼らに代われない私たちができることは、それだけだと思っています。
今、この国の人たちの心が見つめているのは、互いを思い合う人と人の心のきずなだと思います。
情報によれば、多くはないけれど窃盗なども起きているそうですが、この国全体を包んでいる愛と真心の大きさからすれば、まるで桁が違うと思います。
今、みんなが見つめたいのは、人間の真心と、苦難を乗り越えようとする時の、人の強さ、美しさです。
誰かを助けようとする人が逆に勇気をもらって、もらった勇気で再び頑張れることもあるはずです。
どっちが強いかといえば、きっと被災した方々なんだと思います。
わたしたちは一つの文化を共有する日本人です。
いっしょに頑張りましょう。いえ、頑張るのは私たち、被災された方々はできることなら心を身体をゆったり休めてほしい。早くそうしてもらえるように、私たちが働いて頑張ります。

さようなら

昨日、物置にしている家裏へ行って、外からの目隠しに使っている葦簾(よしず)を開けてみたら、そのかげ、コンクリの上で猫が横たわっていました。
飼い猫なのか、ノラちゃんなのかわからなかったけれど、時々、うちの庭を横切っていく猫でした。
寝ているのか、病気なのかと、様子を見たら、もう冷たくかたくなっていました。
病気で死んだのかもしれません。
かわいそうに、こんな寒い夜に……病気だったなら、さぞかし寒かったろうと。
夕方なので、保険所に電話をしたら、翌日の午後になるといいます。
もう死んでしまっているので、寒さも感じないだろうけれど、一晩、コンクリの上においておくのが可哀そうで、うちの愛犬のバスタオルで包んで、段ボールに乗せ、古新聞の束をベッドにしてやりました。
お線香をあげ、合掌して、カラスにつつかれたりしていけないので、また、そっと葦簾を閉めておきました。
もうすぐ、保険所の人が来ます。
その前に、もう一度お線香をあげてきます。でも、顔は見られないな、可哀そうで。
被災した人々が沢山寒い思いをしている夜、ノラちゃんはひとりで凍えて逝きました。
さようなら、ノラちゃん。天国は春みたいにあったかいといいね。

大震災を生き延びた生命力


だれか、この子たちを救ってくれたでしょうか。飼い主さんに会えたのでしょうか……
犬を飼ってる私から見ると、あの一声吠えたのは、警戒してるというより、「ついてきて!」っていってるように見えるのです。
助けてほしいって、いってると思う…… 

世界がエールをおくっている! その6 『ゲド戦記』のル=グウィンさんから

児童文学に関わる人なら、だれもが知っているアーシュラ・K・ル=グウィンさんからのメッセージです。
        
☆日本の読者の皆さんへ
 わたしたちとあなたがたの間には海があります。でも、その海で、わたしたちとあなたがたはつながっています。
 日本を襲った大津波は海を旅しながら、だんだん弱くなり、アメリカの西海岸に達しました。それはここではほとんど害をなしませんでした。
けれども、あなたがたの悲しみと苦しみが大きな波となって、その小さな波とともに、わたしたちに届きました。
 こちらではたくさんの、とてもたくさんの人が今、あなたがたのことを考え、あなたがたのために泣き、最悪の時が早く過ぎ去るように祈っています。そのことをどうか知っていてください。
 このように大きな喪失の悲しみ、苦しみ、不安のさなかで、日本のごくふつうの人々が示す静かな勇気に、わたしは言葉にできないほどの賞讃をおぼえます。
あなたがたのしっかりとした、忍耐強い顔を見ると、その美しさに打たれます。ひとりひとりの顔に目を向けると泣けてきます。あなたがたに力がみなぎり、よりよい明日への希望を胸に抱けるよう願っています。
                      愛をこめて
                      アーシュラ
                      2011年3月14日

new3/17ル=グウィンさんの原文、訳文をされた方のブログ

世界がエールをおくっている!その4

この動画をリンクするかどうか、正直迷いました。
もし、抗議があれば、即座に削除しようと思いつつ、それでも、子どもたちに見てほしくてアップします。
かつて、私の人生と共にあったアーティスト、亡きマイケルジャクソンも日本の子どもたちを勇気づけるためなら、許してくれるかもしれない。

日本という運命共同体

友人作家が、著作の増刷が決まったので、その印税を寄付すると聞きました。
貯金もできないような自転車操業の作家にとって、それは身を削るようなお金です。その友人を尊敬します。
私も見習いたいと思いますが、一番近くの収入までまだ数カ月はかかる身には、まとまった寄付金を用意できません。
私の場合、歴史物が多く、一冊の本を書くために数百冊の資料が入用なこともあり、印税が入るまでは、必ず大赤字なのです。
でも、寄付は金額じゃないから、今できることをするつもりです。
希望は、もうすぐ、新刊『江 浅井三姉妹戦国を生きた姫たち』が出版されることです。
その印税が入ったら、そこから、少しまとまった寄付をしたいと考えています。



それにしても、このところ、毎夜、眠れません。
仕事をしていても、脳内は集中できず、今自分にできること、役に立つことはないだろうか…と、思い続ける毎日です。
地震津波に被災された方々、子どもたちの映像に胸が張り裂けそうなのに、その上、刻々に報じられる原発の危機。
今こうしている間も、どれほどの恐しいことが起こっているのか……と考えれば、胃部に重い恐怖の塊を抱えているようで、精神も体調もおかしくなってきます。
でも、こう思うのです。
これから、どんなに恐ろしいことが起ころうと、この日本という国に生きる人間は運命共同体なのだと。
放射能が拡散したからといって、海外に移住できる経済力のある人はひとにぎりです。
大方の日本人は、何があっても、この日本列島のどこかで生きなければならない。
だとすれば、覚悟しよう。
何があっても、命がある限り、未来を生きる子どもたちのために頑張ろうと。
今日この日たった今から、あらたに授かった命だと考えて、今まで以上に、子どもたちを幸せにする物語を書こう。
子どもたちの未来にかげを落とすような動きとは闘おう。
運命に、この命をにぎりつぶされるその日まで、一心に書き続けよう、闘いつづけようと。
日本に生きる私たちは、誰もが、そうするしかないのです。
怖れるより、立ち向かうしかないのです。
被災地の人々、救援の人々が、立ち塞がってくるあらゆる恐怖に、顔を上げて立ち向かっているように……

世界がエールをおくっている!その2〜3

勇気の出るニュースを集めてみました。(記事を追加しました)
new3/14インドから「日本は親友だ」※関係新聞記事はここ

new3/14韓国各紙、日本人の冷静な対応称賛※関係新聞記事はここ

new3/14怒号もけんかもない 「強い国」と越メディア※関係新聞記事はここ

new3/14ソウル新聞一面「深い哀悼…」※関係新聞記事はここ

3/14パリでも、連帯を呼びかけ…※関係新聞記事はここ

3/14海外日系人「日系人の全米組織も義援金をつのる」関係新聞記事はここ

3/14独ベルリンから「私たちは日本の味方だ」※関係新聞記事はここ

3/14インドから「必ず苦難克服と信じる」※関係新聞記事はここ

3/13東日本大地震・世界の反応※関係新聞記事はここ

new3/12中国から「マナー世界一」※関係新聞記事はここ


私は個人的に、ニュージーランドのキー首相のメッセージに感動しました。
アメリカがこれまでにない最大規模で支援してくれるのにも感謝。
どうか、一人でも多くの人が無事救出されますように…