男女逆転の面白さをどうぞ

カドカワ学芸児童名作  桜石探検隊作・風野潮/絵・よこやまようへい
強そうな名前だけど気が弱い男の子、金石剛のクラスへ転校してきたのは、きれいだけど男の子みたいに元気な丹羽あずり。
石の大好きな剛が河原で拾ってきた赤いシマシマの石を、あずりは「ジャスパー」だと教えてくれる。
そこから始まる石探しの探検隊のリーダーは、むろん、女の子のあずり。探検隊がみつける石の一つ一つに、石好きの私はわくわくしました。子どもの頃、水晶を掘りに友達と山へ入ったことも思いだしました。子どもが大好きな宝探しの冒険、それは水晶探しでしたから。
この本の監修は「こども鉱物館」。物語を楽しむだけでなく、石についての知識も学べる一石二鳥のお得な一冊です。
「人間がひとりひとり違うように、石もまったく同じものはないのです。手に取って見たとき心がホッとするような、あなたの友だちになってくれる石を、きっとみつけてくださいね。」という風野さんの言葉通り、自分だけの石を見つけたくなります。
男子☆弁当部 オレらの友情てんこもり弁当 (ポプラ物語館)作・イノウエミホコ/絵・東野さとる
こちらは、打って変わって、男子弁当部。
特に仲がいいわけでもなかった三人ソラ、タケル、ユウタの男子三人が、ひょんなことから男子弁当部を結成。それには、深い事情が……。
そのあたりの描き方がかろやかで明るい。じめっとしてないのがいいなあと思いました。
それもそのはず、作者は季節風同人のハンサムガール二代目!(初代は泣く子も黙る長崎夏海さん)
こちらも、物語を楽しみつつ、少しだけ、料理知識も身に付きます(そう、沢山だといやになるから、最初の一歩の知識が子どもには必要なんです)。
弁当コンクールに出品する弁当のアイデアも、なんとも男子的。女の子はこんな大胆な(無謀な)ことはできません。
ミホコさんて、もしかして、中身は男子!?
いや、男子より凛々しい女子なのかも……