悲しみを癒して……


裏庭の吉野桜が咲きました。
花弁は白に近い薄紅、陽射しの下では真っ白に輝きます。



日本中がこんなにも悲しみと危機にさらされているのに、桜は、毎年、同じように咲いてくれます。




青い空、気持ちのいい風…でも、この風には、わずかであっても放射性の毒が含まれているのです。
そんなことを思って風に吹かれるなんて、ほんとに悲しい。
山紫水明、美しい自然が、日本という島国の資源でした、ついこの間までは……
そのことに、ようやく気づいた人が多いのかもしれません。
資源のない国だから、原発が必要。空気を汚さないためには原発が最高…と、どなたがいったのか。
資源がないなんて、真っ赤な嘘でした。日本の国は、清浄な国土と豊かな四季が唯一の資源だったのです。その証拠に、今、日本の製品は食品に限らず、世界から輸入制限をされ始めています。汚染された品物は買えないと。食品はもちろんのこと、糸や繊維、鉄鋼などに至るまで、汚染されていないと証明されなければならないのです。
これ以上ひどいことになれば、日本の貿易は成り立たなくなって、多くの会社や工場は倒産してしまうでしょう。電気を使う会社や工場がなくなってしまえば、原発の電気が溢れるほどあったって無駄でしかありません。
世界は、日本の国土が清浄だからこそ、日本人の技術も高くかってくれていたのですから。
火力発電で排出される二酸化炭素は、多すぎては問題だけれど、二酸化炭素自体は、地球にとって命にとって、なくてはならない必要なものでもあります。
美しい森は、二酸化炭素がなくては生きていけません。
でも、人間がつくりだした新しい放射性の毒は、すべての命をむしばむだけです。
そういうものを、クリーンだという人は、嘘をいっていると思います。

私は、桜を眺めて、うっとりしたい。
風に吹かれて、おもいっきり深呼吸をしたいです。
日本人の技術や努力が、正当に評価され、世界に喜んでもらえるようになってほしいです。



玄関脇の雪柳は満開です。
でも、その向こうの、紅しだれ桜は、まだつぼみ。



さくら さくら 
やよいの空は 見わたすかぎり
かすみか雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや  見にゆかん