怪談絵本、出揃いました〜

東雅夫先生編纂の怪談絵本は、どれも、はんぱなく怖いです。
作家は、宮部みゆき京極夏彦加門七海恒川光太郎皆川博子さま方。
この先生方が書いたと聞いただけで、怖いったらありゃしない。でも、どれも、どこか切ないし、愛しくもあるのです。……不思議です。
画家さんも第一線の方々、版元さんも、児童書出版では老舗の岩崎書店
編纂、作家、画家、編集、版元…みなさんの心意気が伝わってきます。

怪談えほん (5) ちょうつがい きいきい

怪談えほん (5) ちょうつがい きいきい

部屋のとびらを開けると、きいきいと音がする。よく見ると、おばけがはさまって叫んでいるではないか! 怖いけど、見たい。見たいけど、怖い。加門七海と軽部武宏が奏でる、鳴り止まない恐怖…(内容紹介より)
加門七海さんは、霊感の強い作家さんで有名です。
妖しいもの怖いものを見聞きしたエッセーも沢山あります。
その加門さんが書いた怪談が怖くないはずはありません。私はこの絵本を開いて、以前読んだ加門さんの本『うわさの神仏』シリーズを思い出してしまいました。怖い神さまがいらっしゃる寺社の扉には鍵がかかっている。ゆめゆめ中へ入ってはならない…というような話を。
そういう寺社の扉も、ちょうつがいがキイキイ鳴っているのではないでしょうか。……きゃあぁぁぁ〜っ

怪談えほん (4) ゆうれいのまち (怪談えほん4)

怪談えほん (4) ゆうれいのまち (怪談えほん4)

真夜中、友だちに誘われて、ぼくは森の向こうに現れるという、ゆうれいの町を見に行った。けれど、ぼくだけゆうれいに捕まってしまい、ゆうれいの町で暮らし始めることに。そして、ぼくは何もかも忘れ、大人になるが…(内容紹介より)
真夜中にやってくる友達が「あそびにいこう」という。
もうそれだけで、じゅうぶん怖いのですが、森の向こうに幽霊の町があらわれるとか。
私も、満月の夜にお寺の森にあらわれる妖怪の夜店の物語を書いたことがありますが、妖怪はどこかユーモラスですが、幽霊は恐ろしい。
でも、この絵本に登場する幽霊たちは怖いだけでなく、なにやら切なく愛しくもあるのです。個人的には、この物語の最後の一行に癒されました。
物語は恒川光太郎さん、絵は大畑いくのさんです。(written by 越水利江子

以下はこれまでの怪談絵本のページです。
怪談絵本『いるのいないの』

怪談絵本『悪い本』『マイマイとナイナイ』