訃報です

桃太郎の運命はじめて学ぶ日本児童文学史 (シリーズ・日本の文学史)平凡社ライブラリー 子どもの替え歌傑作集
私にとっては、偉大な大先輩である児童文学者の鳥越信先生が亡くなられました。ショックです。
鳥越先生は、私がデビューした頃の恩人です。
ポッと出の新人のデビュー作『風のラヴソング』を読んで下さり、「タイトルはいただけないが、中身は素晴らしかった」とおっしゃって下さったのを、昨日のことのように思い出します。
私にとっては、誰ひとり友達のいなかった児童文学界という荒野で出会った明るくて気さくな先生でした。当時の私は児童文学界をまったく知らなかったので、そんなにすごい先生とも思わず、先生を見かけると、「鳥越先生〜」と、懐いていました。偉ぶらない、そういう気さくな先生だったのです。
ですから、亡くなられたと知っても、私には鳥越先生の軽妙な笑顔しか思い出せません。
あのデビューの日から20年…歳を重ねたということは、こういう別れに度々出会うことなのですね。

かつて、新人時代にお世話になった中川正文先生、木暮正夫先生も逝ってしまわれました…そして、今度は、鳥越先生が……
大先輩を失う寂しさに胸がいっぱいです。
鳥越先生のお葬式は近親者のみとか…。せめて、日ごろの無沙汰をお詫びしたかったです……合掌