『リンカーン アメリカを変えた大統領』(角川つばさ文庫)を書いて

まずは、資料を調べれば調べるほど、リンカーンという人物の魅力に引き込まれました。
現在でも、リンカーンアメリカで一番人気のある大統領で、そのせいか、昨今の大統領のあの人もこの人も、自らをリンカーンになぞらえるようなことも多いようです。
けれども、リンカーンの生きた時代…少年時代から青年時代にかけての辛苦と努力、政治家となってもなお苦闘した姿を俯瞰して見れば、この人ほどの人物は、やはり、いないのではないかと思ってしまいます。

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  • この本は、スピルバーグ監督の映画「リンカーン」の日本公開に合わせた出版なので、アカデミー主演男優を受賞したダニエル・デイ=ルイス演じるリンカーンの帯がかかるそうです。
    映画は、リンカーンの晩年、南北戦争を中心に描いたものですが、私が書いたのは、リンカーンの誕生から少年時代、青年時代から、政治家となって南北戦争のさなかで苦闘するリンカーンの姿まで年代ごとに逸話をからめて書いています。
    教科書で習ったぐらいしか知らなかったリンカーンの生きざまを、調べながら、書きながら、胸を打たれ、感動を深めていったというのが、本当のところです。
    映画で描かれるリンカーンのように、晩年のリンカーンは、苦闘のあとが表情にあらわれ、見るからに長身(約193㎝)のせいもあって、やせぎすのように見えますが、実のところ、大統領になってからも、その筋力は、当時の青年軍人より優れていたのです。
    少年、青年時代のリンカーンの溌剌とした逸話は、私たちが抱いているリンカーンのイメージをひっくり返してくれます。
    リンカーンの初恋の初々しさと切なさ、生涯の親友となった美青年ジョシュアとの出会いとその友情。政治家となってからの逸話にも、その愛の深さに胸を打たれます。

    政治や政治家について夢を見られなくなっている日本人にとっては、反省すべき点も多く気付かされます。
    選挙の一票によって、誰が選ばれるかが決まる。
    どんな政治を選んだかによって、その国は滅びるかもしれないし、百年二百年を過ぎても語りつがれる改革の歴史を残すかもしれないのです。
    国の理想を、日本人はあきらめ過ぎているのではないかと思いました。
    映画「リンカーン」ともども、映画公開と同時期に発売される『リンカーン アメリカを変えた大統領』をぜひご覧になって下さい。きっと、力をもらえます。
    私自身も書くことによって、大きな力をもらったから、これは本当です。