ポプラ社元社長、坂井宏先さんの突然の訃報

坂井さんといえば、那須正幹大兄いの『ズッコケ三人組』シリーズを世に送り出した敏腕の編集さんでもあったと聞いています。
むろん、その当時は、私はまだ作家でもなかったけれど。
私が作家デビューをしてからも、ポプラ社の剛腕ワンマン社長として名を馳せていた方でした。
ポプラ社で発刊された『忍剣花百姫伝』シリーズに、他社からの文庫化のお声がかりがあった時、鶴の一声で「それなら、我が社で！」と、『忍剣花百姫伝』全巻を一般文庫化して下さったのも坂井さんでした。
当時、そのお話でお目にかかった折の、溌剌とお元気な姿が目に浮かんでなりません。
とてもショックです。68歳、まだまだ、お若かったのに……
坂井さんなら、まだまだ、もう一花もふた花も、大きな大きな花を咲かされたのではないかと思うと、出版界のためにも残念でなりません。
那須さんも、きっとショックを受けていらっしゃるだろうと思うと、児童文学の伝説の一時代（レジェンド）が去ってしまったようで、心にぽっかり穴が空いたようです。
坂井さんと仲の良かった人も、そうではなかった人も、同じく寂しいお気持ちでいらっしゃるのではないでしょうか。
心より、ご冥福をお祈り致します。

忍剣花百姫伝（一）めざめよ鬼神の剣 (ポプラ文庫ピュアフル)

それいけズッコケ三人組 (ポプラ社文庫―ズッコケ文庫)