『怪談と名刀』著/本堂平四郎 編/東雅夫

怪談と名刀 (双葉文庫)

怪談と名刀 (双葉文庫)

名物警視として活躍後、実業界に転じて通信事業の世界で風雲児となった著者が、その晩年、刀剣研究を志し著した幻の名著。名刀妖刀にまつわる怪談奇聞の数々を、物語的興趣を湛えて活写している。昭和10年初刊以来、史上初の再編復刊なる!(BOOKデータより)
お宝本の復刻です〜
幻の名著が、また東雅夫さんによって、読みやすく復刻されました。
名刀をめぐる怪談伝奇の数々には、今は失われた時代の息吹が満ちています。時代は幕末維新時期から、戦国時代までさかのぼって、あらゆる怪異に立ち向かう名刀の武勇伝がおさめられて、それぞれの伝奇の巻末には、名刀の薀蓄も簡潔に記されています。
時代ファンタジー作家にとっては、想像をふくらますための一級の資料ともいえます。また、その文体表現の凛々しさ、スピード感、含蓄度など、この作者の時代ならでは表現も多々あり、ただ講談調といってしまうにはあまりにも惜しいあれこれを含んでいて、できれば、誰にも教えたくなかったなあ……と、一人占めしたくなる一冊でした。