『マジカル少女レイナ悪夢のドールハウス』](岩崎書店)石崎洋司さんの解説を書かせていただきました

この人気シリーズはこれで五巻目。どれも石崎魔法で一気に読ませます。女の子なら夢中になるしかけの数々。低学年の少女の好きなもの、憧れ、ドキドキがいっぱいつめこまれています。まだ手元に新刊がないので、画像アップできなくて残念ですが、ぜひ読んでみてくださいね。石崎ファンの方は、どうぞ風雲急を告げる掲示板へもお越し下さいね。

新選組と坂本龍馬

6月に沖田、土方、近藤の墓参と新選組の故郷日野周辺の取材に行きます。少女の頃から沖田、土方、近藤、山南などの墓参は私の夢でした。実は私と同じ土佐出身の龍馬にも思い入れがあります。龍馬の墓は京都霊山護国神社(きょうとりょうぜんごごくじんじゃ)にあるので墓参は若い頃にしました。漫画化志望だった少女の頃、龍馬や沖田が登場するファンタジー劇画を描いていました。ですから、私のなかでは、彼らは昔の人という印象はありません。なんというか、彼らは私にとってただの歴史上の人物だけではなくて、自分自身が大人になってゆく過程で大きな影響を受けた人物といった方がいいと思います。そのあたりのイメージが『月下花伝』のヒロイン秋飛に重なります。
私は高知で生まれ京都で育ちました。龍馬はその土佐人の誇りですから、同国人の私が憧れても普通です。でも、新選組はかつて京都人には嫌われ者だったし、維新をささえた土佐藩や龍馬とも敵対していく存在なのです。なのに、私は子供の頃から新選組の存在そのものにうたれました。人というものの思いの深さ、愚直なまでの節義、のし上がり落ちてゆく彼らの生き様の凄まじさは、人の一生というものをぎゅっと凝縮したような濃い何かを感じます。
土佐から京へ貰われてきた子だった私もまた、京都とは異質な何者かだったからかもしれません。少女の頃から、ほとんど家族のように近しい存在だった彼ら。その彼らを本格的に書ける日が来たことは、作家としての大きな喜びです。私なりの新撰組をどう書くか。考えるだけでわくわくしています。