『1984年』ジョージ・オーウェルを読みました

作者オーウェルは1950年没。この作品を書いた直後に亡くなっています。読後の印象は世にも恐ろしい傑作、もう小説の域を超えた人類の遺産ではないかという思いでした。訳者新庄哲夫氏後書きに「『1984年』は現在のわれわれにとっても重大である。なぜなら、そこには人間の尊厳をおびやかす実体が普遍的な問題として予言されているからであり、未来のはらむ危機と現代の荒廃とが、権力の構造ないし論理をぬきにしてはまったく考えられないからである。」と書かれている通りに。
半世紀も前の作品ですが、今でも全然古くないです。むしろ、未来をリアルに描いたSFとして読めます。タイトルが「2084年」でも良さそうです。
権力によって人間性を失っていくウィンストンと恋人ジューリア。でも、再会したふたりの会話に、私はとても人間らしさを感じました。自分のしたこと、思ったことが深い傷となって愛した人を愛せなくなるのは、人間性を失っていないからだと感じたからです。でも、結末はもっと怖かった。

『月下花伝ー時の橋を駆けて』がベスト二位に!

月下花伝―時の橋を駆けて
版元さんである大日本図書の売り上げベストの二位なんですけど。でも、この本は帯にしか沖田総司の名前はないので、かなり濃い新選組マニアの方しかご存じないはず。とすれば、どなたが買って下さっているのでしょうか。朝読書2007ブックフェアにも出品されるとか。全国の先生方、どうぞよろしくお願いします〜

「どろろ」映画と「涙そうそう」DVD見ました

妻夫木聡くんが可愛いです!! 
って、つまり、世界中探してもきっといないぐらい、癒し系ハンサムの妻夫木くん。もうそれだけで、映画なんかなんでもええんや〜っと叫んでしまいたくなるのです。いや「どろろ」はもともと原作ファンなのですが、映画も良かったです。とくに妻夫木くんが。あ、酒場リラ亭のご常連だったという渋くて熱い原田芳雄さんが見られたことも嬉しかったです。
涙そうそう」は予定調和の筋はこび。こうなるんだろうなぁと思った通りに物語は運びます。それやのに、泣いた……。しかも号泣。プロの作家がこんなベタな話に泣くなんて恥だ!と思いながら「にいにい〜っ」とさけんだわたし。良かったです。妻夫木くんが。