総司の肖像&山南忌と『恋する新選組』

昨日は、新選組副長山南敬助さんを偲ぶ山南忌でした。(壬生の旧前川邸にて)
私は時間があまりなかったので、ご子孫の皆様や、敬愛する新選組研究の先生方にもご挨拶する間もなく退出してきました。なので、ご報告することはあまりないのですが、今回の山南忌には、なんと『風光る』の漫画家さん、渡辺多恵子さんがお見えでした。でもまあ、私の方はバタバタで、どなたにもご挨拶できなかったのですが、山村竜也さん(歴史作家。NHKの大河ドラマ新選組!」の時代考証をされました)にだけは、あろうことか、トイレ待ちの行列でお目にかかってしまいました。
山村竜也さんのご著書には、私のような創作中心の作家にとっては、拝んでも拝んでも拝み足りないようなありがたいご本が沢山あります。その上、ハンサムで笑顔の素敵な方なのです。で、二言三言お話しはしたのですが、場所が場所だけに言葉少なになってしまいました。失礼をお許しください、山村さん(心では先生とお呼びしています)。でも、お顔を見られただけで、なにやら嬉しかったです。
春から夏にかけて、総司忌、勇忌、土方歳三忌、井上源三郎忌とつづきます。京都からでは全部は出席できないのですが、どこかでまた、今度こそ皆様にゆっくりお目にかかれるのを楽しみにしています。
さて、4月15日発売の『恋する新選組』の案内↓が角川書店のHPに出ていました。
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200809000415
↑について、今、気がつきましたが、作品中では、沖田は凛々しい剣士ですが美青年には描いていません。美青年は藤堂平助です。顔だけ美男、性格は鉄砲玉の原田左之助、究極の美男子は歳さん。…といった、史実通りのキャラ立てでいかしてもらってます。
さらに一言。ちまたに、沖田の肖像というのが出回っております。総司ファンには大ショックの肖像なんですが、でもこれは、総司姉のミツさんが総司に似ているとおっしゃった親族の要氏をモデルにした肖像だそうです。
ここで、さあ、みなさん。思い出して下さい。テレビ番組で、スターさんのそっくりさん登場のシーンを! スターさんとそっくりさんは「似て非なるもの」ですよね。すがたかたちも違いますが、スターさんには、桁違いのオーラがありますよね。それに、要氏だって、本当はもっと素敵な方だったのではないかと思います。肖像画というのは顔かたちだけでなく内層を捉えてこそ肖像の意味があるのですが、この肖像はなんともべったり二面的です。モデルになったという要氏もお気の毒だと思います。
さらに、肖像の髪型は実際総司がしていた髪型という証明はありません。写真の残っている近藤さんや土方さん永倉さんたちが総髪だったように、おそらく総司も総髪だったのではないかという説も有力です。
それに、私は沖田家のご子孫、数人の方々にお目にかかりましたが、あの肖像とは印象が違いました。ご子孫の共通点は、お話なさる時はとても穏和で、優しい目をなさっています。笑顔が素敵です。でも、同時にきりりとした凛々しさを感じさせる方々でした。
総司は幕末の剣士です。おそらく、総司もふだんはにこやかで穏和な人だったでしょう。でも、剣を抜いた時は豹変して、鋭く凛々しくなったのではないかと思います。ただの美剣士よりも、私はそういう総司こそ沖田総司だと思うのですが、いかがでしょうか。

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