友人、同人、先輩作家の新刊ご紹介

きみに贈るつばさ物語―角川つばさ文庫書き下ろし短編集 (角川つばさ文庫) 『きみに贈るつばさ物語』
角川つばさ文庫の発刊記念アンソロジー。執筆陣は、あさのあつこ椎名誠関口尚宗田理はやみねかおる松原秀行各氏。なんとも豪華な一冊です。あさのさんの「ヨキナマ、ヨキナマ」は、ハートフル妖怪物語とでもいいましょうか。こんな短い話の中なのに、ヨキナマが愛おしくなりました。松原秀行さんの「トリケラトプス」はびっくりの展開ですが、キャベツ畑のトリケラトプスが可愛いです。時空をあやつる不思議な石、オソラサマは長編でも出会いたいと思いました。どの物語も子供心をぎゅっと掴む仕掛けがあります。朝読にぴったりの一冊でした。
鬼にて候 3 (YA!フロンティア 19) 『鬼にて候3』作・横山充男
毎度、一気に読まされます。鬼導師童門一族の末裔、童門保(愛称たもっちゃん)の住む西乃荘市に、なぞめいたミサンガ売りが出没。同じ頃、市長公舎で怪奇現象が起こったり、暴力事件が起こったりと不穏な事件が続出します。となれば、真相究明のため、鬼導師童門一族と、生き霊や死霊を折伏する弓削一族が登場。まだ小学生のたもっちゃんは、実は童門と弓削の間に生まれたスペシャルな男の子なんです。この弓削流折伏、童門流の鬼送りの呪文やら仕掛けやらが手が込んでいて面白いです。今回、レギュラーの竹藪の女ユーレイの正体が明かされますよ。それにしても、たもっちゃんのパパの正一さんの前世は、なんて男前なお名前でしょうか。そっちの話も読みたくなりました。このシリーズは『鬼にて候1』から読まれることをおすすめします。
大ドロボウ五十五えもんのドロボウ学校 (ポプラ物語館) 『大ドロボウゴ五十五えもんのドロボウ学校』作・吉田純子
『大ドロボウゴ五十五えもん』が出て以来、こどもたちのファンレターがどっさと届く大笑いおバカドロボウシリーズの二巻目です。続刊も次々出るそうですから凄いです。細川貂々さんの絵がぴったりで素晴らしい! さて、一度もドロボウに成功したことない五十五えもん兄弟は、とうとう、ドロボウ学校へ入学します。カリスマ的大ドロボウの大土呂先生、ドロボウ学級の委員長、可愛くかっこいい少女アスカも登場します。五十五えもん兄弟は、ドロボウテストや、いのこり勉強を乗り越えて、ベリーグッド生徒賞をゲットできるのでしょうか。はじまりから最後まで、どうぞ、あっけにとられて下さい。