感動の一冊、泣ける一冊、お気に入りの一冊、おもしろすぎた一冊「読者の投稿による”私のすすめるとびっきり”」
(童話城より転載)
※複数のご推薦があった本も手を加えずそのままご紹介しております。2010年までに発行または完結した本から、各読者が推薦されています。
私のすすめるとびっきり!
『あした、出会った少年』
越水利江子著 ポプラ社
日本児童文芸家協会賞
京都の露路を舞台に、主人公さよこが出会う美しい不思議。
どの章も心にしみいる愛のこもった作品です。
この本を読むと、心にぽっと明かりが灯ります。
その明かりは、生きていくための方向を照らしてくれます。
人とは、なんてやさしくて強いんだと泣いてしまう一冊、どうか多くの人に、長く読み続けて欲しいと思います。
人が失ってはいけない大切なものを、知ることができます。
越水さんのデビュー作『風のラヴソング』の姉妹編。
ちなみに私は、しのぶちゃんがお嫁にいく場面が大好きです。
(推薦/水玉)
私のすすめるとびっきり!
『ハンカチの上の花畑』
安房直子著 あかね書房
「出ておいで、出ておいで、菊酒作りの小人さん」というフレーズが、楽しくてこわくて、何度も何度も読みました。
1973年が初版発行で、私の手元にあるのが1983年で30版のものです。この本は、当時と全く同じ装丁で、今も本屋さんの書棚に並んでいます。
安房さんのファンタジーは、人間の影の部分を描くところが好きです。この作品にも、安房さんの風刺がきいているのです。
どこかの古い酒蔵の奥に、お酒をつくる小人の仲間が、今でもいるかもしれませんよ。
(推薦/水玉)
私のすすめるとびっきり!
『少女海賊ユーリ』シリーズ
みおちづる著 童心社
何百年という時をさまよう海賊船ユーラスティア号の女船長ユーリ、その仲間たちの、愛と冒険のドラマ。
超エネルギーを持つ謎の石、「時光石」をめぐって繰り広げられる世界から、目も心も離せません。
(推薦/ノンタ)
私のすすめるとびっきり!
『忍剣花百姫伝』シリーズ
越水利江子著
陸原一樹絵 ポプラ社
波瀾万丈、超時空ファンタジー活劇。
こういう本を待ってました!
盗人に育てられた姫君が活躍する恋あり涙ありのジェットコースター・スーパー時代劇。
骨格もしっかりしていて、安心して読めます。
おもしろい本をよみたいなら、これ!
一話から目がはなせません。
次巻を待てないのが玉にキズかも。
(推薦/ろむお)
私のすすめるとびっきり!
『白狐魔記』シリーズ
斉藤洋著 偕成社
厳しい修行の末、人間に化け、戦国戦乱の時代を駆け抜ける狐、白狐魔。
歴史の陰に白狐魔あり!
スリル満点の展開と、狐から見つめた人間像が、真面目な話なのに何故か笑える大河タイムファンタジー。
子供も大人も一気に読み進めてしまうことでしょう。
(推薦/ノンタ)
私のすすめるとびっきり!
『杉みき子選集2 白いとんねる』
杉 みき子著 新潟日報事業社
このタイトルは知らなくても「加代の四季」と言われて「読んだことがある!」と思われる方は多いと思います。
加代の見つめる世界は小さいけれど,温かな息吹を感じさせます。澄み切った空気,雨のにおい,風の声,春の訪れなど,さまざまな自然がこの世界には詰まっているのです。
子どもの頃に感じた素朴な疑問,子どもならではの視点。
そういったものが,簡潔でいて深みのある文章で表現されています。
大人には忘れかけていた子どもの頃の気持ちを思い出させ,子どもだったら共感するところがたくさんある作品です。
(推薦/ROY)
私のすすめるとびっきり!
『かいぞくぶろ』
越水利江子著
渡辺有一絵 新日本出版社
越水利江子さんの低学年向き作品は、子どもがすぐにまねしたがります。
それだけ身近な素材で子どもたちのイメージをふくらませているからでしょう。
4才の息子はいっしょに風呂に入れば、必ず「かいぞくぶろごっこ」をやります。
また、小学校などで読み聞かせをやるときは定番で読みます。男女問わず、低学年ならまずハズレはありません。
いたずら好きな私は、ポケットにトラベル用のシェービングクリームをしのばせて行って、おじいさんが海賊になるシーンでは、こっそりあごからほおにぬります。
これはびっくりするほど笑いがとれます(笑い声と歓声がきえるまで、ちょっと間をとった方がいい)。一度おためしください。
(推薦/しらみやパパ&こうへい4才)
私のすすめるとびっきり!
『星の牧場』
庄野英二著 理論社
主人公は戦争で記憶をなくしたモミイチ。
戦争が終わって故郷の牧場に帰ってきたモミイチは、戦争中にかわいがっていた軍馬ツキスミのひづめの音を聞きます。
ひづめの音をたどっていったモミイチは、いつのまにか夢のような不思議な世界へ迷いこむのです。
深く大きな愛に涙して下さい。
1963年初版のファンタジーの傑作。
(推薦/童丸)
私のすすめるとびっきり!
『星モグラ サンジの伝説』
岡田淳著 理論社
一番外側が筆者のことばで、つぎの枠に囲まれたページが、筆者と筆者に「サンジというモグラの伝説」を伝えた人のやりとり。そして内側が、サンジの伝説という二重額縁構造になっている。サンジというのは、伝説になるほどのスーパー・モグラで、たとえば、ヘビを食べる。岩も鉄も食べる。空を飛ぶ。水中を泳ぐ。恋をする。星も食べる。ついでに、自然破壊を、くいとめてしまう。さらに、神さまと、話をする。この神さまが、おかしい。
額縁をとって、内側のサンジの伝説だけでも痛快で、十分におもしろい。けれど、枠に囲まれた部分は、筆者の独白形式になっていて、おとなこそ楽しめる。
(推薦/NOCO)
私のすすめるとびっきり!
『あした、出会った少年』
越水利江子著 ポプラ社
日本児童文芸家協会賞
言わずとしれた越水文学の集大成。
ページをめくると、目の前に露地の石畳とその中を舞い散る桜の花が、地蔵盆の色とりどりのちょうちんが、ホウセンカの紅い花が広がる。
美しく、泣けるお話なのですが、それだけじゃもちろんない。
文章で人の心を揺さぶるのは難しい。
泣かせる事ももちろん難しいのですが、笑わせる事はもっと難しいんじゃないかと常々思っています。
この作品はそこのとこもきっちり押さえてあります。
私の笑いどころは、カラーテレビのリモコンの微妙さと、しのぶちゃんちのうんこ石!
私の目指すいろんな要素がつまった大好きな作品です。
(推薦/はっさく)
私のすすめるとびっきり!
『なまくら』
吉橋通夫著 講談社
野間児童文芸賞
これから大人になる少年少女たちに、これから物語を書こうとする人に、ぜひこの本は読んで頂きたいです。
物語を読むことで、登場する少年たちの人生に立ち合ってもらいたいと思います。
傷だらけ、泥まみれで、それでも地を這い、根を張り、成長し続ける少年たち。
現代の日本人が、現代の子どもが失ってしまった、清らかで強靭な少年の魂。
その魂に、もう一度出会える貴重な本です。
心に深くしみる一冊です。
(推薦/彼岸桜)
私のすすめるとびっきり!
『海でみつけたこと』
八束澄子著 講談社
この物語に出てくる老婆は、作者がテレビのドキュメンタリー番組でふと目にとめた、一人の海女さんだそうです。
強い目の光と口もとの惹かれた作者は、テレビ番組だけを頼りに、老婆に会うために日本海の港町へ出かけて行ったそうです。
物語に登場する主人公の少年少女たちは、空想の産物だけれど、この本の中の力強い潮のにおいは、決して空想だけのものではないと、日本海の近くで生まれ育ったわたしには思えるのです。
(推薦/蛙女)
私のすすめるとびっきり!
『風のラヴソング 完全版』
越水利江子著 講談社
日本児童文学者協会新人賞
芸術選奨文部大臣新人賞
『風ラヴ』が講談社青い鳥文庫になりました!
さよこが生きる姿を刻々と移ろう四季のように描いています。
物語の中の日差しを感じます。風も吹いてきます。
そして、ラヴソングが聞こえてきます。
この、感動を一番に伝えたのはぼくの娘にでした。
伝わったか伝わらなかったかはわかりません。
でも、ぼくの心の中の何かが動き出しました。
きっと、みんなの心に届くでしょう。
風のラヴソングが、あの日のラヴソングが。
(推薦/風馬)
私のすすめるとびっきり!
『紅玉』
後藤竜二著
高田三郎絵 新日本出版社
『九月の口伝』の絵本版。
作家、後藤竜二の原点ともいえるこの名作が新たに本となったことを心から喜びたいです。
日本中が戦争の残虐と悲惨を忘れ、国境を越える人類の愛よりも、石油のための戦争やテロにのみ目を向けている現代こそ、この絵本を多くの若者に、子どもたちに読んでもらいたいと思います。
(推薦/童丸)
私のすすめるとびっきり!
『ヌンのるすばん30日』
大塚篤子著
古味正康絵 PHP研究所
お父さんとお母さんがお仕事で遠くへ行ってしまった後、8才のヌンと幼い弟妹たちだけでおるすばん。
ネパールの小さな村での子どもたちの暮らしが、まるで目の前で繰り広げられているかのような錯覚が起きます。
ネパールの風の音、ネパールのおいしい食べ物のにおい。
小さなヌンたちの奮闘ぶりを見守る、おとなたちの優しい表情も見えるよう。
遠い国のヌンたちだけれど、日本の小さな読者たちにも、きっと身近な存在になれるはずです。
(推薦/蛙女)
私のすすめるとびっきり!
『八方にらみねこ』
武田英子著
清水耕蔵絵 講談社
昭和55年、「母の友」掲載作品
拾ってくれたじいさとばあさに恩返し、と、お蚕をねずみから守るべく「八方にらみの術」の修行に励む捨て猫のみけ。
日々忘れ去られていく養蚕の歴史をみけの活躍と迫力のある絵で伝える傑作です。
(推薦/ノンタ)
私のすすめるとびっきり!
『風のラヴソング 完全版』
越水利江子著 講談社
日本児童文学者協会新人賞
芸術選奨文部大臣新人賞
『風ラヴ』は講談社青い鳥文庫になりました!
『あした、出会った少年』(ポプラ社)の姉妹編ともいえる、作者のデビュー作。
この作者の作品はどれもそうですが、情景が映像的で目に浮かびます。色彩が鮮やかで美しいです。
そして、どの章も心に深くしみてきます。
子どもの柔らかい魂のゆれが痛いほど伝わってきます。
子どもとは、なんて深い生き物でしょうか。
子どもとは、なんてやさしい生き物でしょうか。
読み終わっても、長く心に残る作品です。
(推薦/ロード)
私のすすめるとびっきり!
『チコのまあにいちゃん』
北川チハル著 岩崎書店
日本児童文芸新人賞
チコのまあ兄ちゃんは「おとうとにいちゃんや」とチコの友達がいうくらい、育つ時間がとてもユックリしている。
いつもにいちゃんをかばうとても健気なチコ。
しかしチコもお父さんやお母さんには「もっと私の方を向いて」と思うときもある。
でも、まあにいちゃんの時間は人よりユックリユックリとしか進まない事をチコは知っている。
人は皆が同じ時間で同じ事ができるとは限らない。
人ソレゾレの持つ時間は違うことを知るという事はとても大事な事だと思う。
(推薦/瑠尹)
私のすすめるとびっきり!
『百怪寺夜店シリーズ』
越水利江子著
篠崎三朗絵 あかね書房
私は、夜店屋シリーズが大好きです。
なぜかというと、こわいのにおもしろいからです。
一番好きなのは『さかさま屋』です。
最初は、こわいのでお母さんに本をうらがえしにしてもらっていました。
でも、なんでか知らないけれど、一番好きになっていました。
でも、『ラムネ屋』も『おめん屋』も『リンゴあめ屋』も好きです。
学校に持っていったら、みんなもおもしろいと言っていました。
早く次のお話が出てほしいです。
(推薦/すみれ/小学二年生)
私のすすめるとびっきり!
『放課後の時間割』
岡田淳著 偕成社
日本児童文学者協会新人賞
図工教師をしている「ぼく」が助けた一匹のネズミ。
彼は学校ネズミで,しゃべることができるのです。
学校ネズミが語る話は,どれもおもしろく,
また,少し切なくもあり,ぐいぐいと引き込まれていきます。
この本は,受け持った子に必ず読み聞かせています。
運動場ネズミの話ならば校庭で,1年生ネズミの話ならば1年生の教室で。
自分の学校にも学校ネズミが住んでいないのかなと,
小学生の頃,真剣に考えたものです。
(推薦/ROY)
私のすすめるとびっきり!
『どろぼうがっこう』
かこさとし著 偕成社
私は、この本が幼稚園の時から好きです。
なぜかというと、こわいのにおもしろいからです。
一番おもしろいところは、どろぼう学校の生徒が
「はーい、へーい、ほーい、わかりやしたー、がってんでござんす」と返事をするところです。
時々、お母さんに何か言われた時にどろぼう学校のまねをします。
お友達に教えてあげたら、絵がこわいからいやだといわれました。
でも、私はおもしろいのになと思います。
(推薦/すみれ/小学二年生)
私のすすめるとびっきり!
『あした、出会った少年』
越水利江子著 ポプラ社
日本児童文芸家協会賞
どの章も好きだが、「夢の浮橋」のお父ちゃんとお母ちゃんのやり取り、お父ちゃんが「さよこ。クジ運ちゅうのはな、小っちゃいのがたくさん当るより、十年に一回、ドーンとでかいのがあたったらええのや」といい、お母ちゃんが「クジ運ちがう。これは実力や」というくだりが一番好きである。
子供の幸せを大喜びできる親が居てくれるから、子供は力を発揮できる。
期待しすぎるのとは違う。
子供の才能に期待をかけ過ぎて壊してしまう親がいるが、まず共に大喜びしてやる事である。
しかし、絵が上手なDNAを持って生まれるのも運、お父ちゃんのいう事も正しい。
(推薦/瑠尹)
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