お気に入りの保存版

「歴史人」と「一個人」（KKﾍﾞｽﾄｾﾗｰｽﾞ）の保存版は、私のお気に入りです。雑誌ならでは、幅広い情報、豊富な写真。専門書には足りない視覚的情報が、作家にとってもありがたいのです。
文章を書くというのは、結局、その映像が浮かんでなければ、リアルな描写にはならないので、資料は文化を深めていく方向と、見てぱっとわかる方向の情報が必要なのです。そういう意味では、680円というお手軽な値段で、これだけの情報を手に入れられるのは、とってもお得です。

なんてったって、剣豪。超有名どころの剣豪列伝。剣術流派から秘伝まで、美味しいところが掲載されています。ここから入って、深めたり拡げたり、剣とはなんぞや、武士とは……と、知的追求のきっかけになる雑誌です。

古事記です。誰でもが知っていて、でも、読み切った人は少ないかも。だいたい、古事記の時代って、どんなふう？　それなら、この一冊が道案内をしてくれます。

倭（やまと）は　国のまほろば　たたなずく　青垣　山隠（やまごも）れる　倭うるわし
（大和の国へ帰りたい、倭建命の気持ちを詠んだ歌）

ああ、これは、3.11以降の日本人の心の叫びに重なるかも……