『うまれたよ、ペットントン』著/服部千春 絵/村上康成

小学校2年生のタクヤは、犬が飼いたくてたまらない。でもお母さんは、1歳の弟シンヤが大きくなったらって言う。ある日、町のペットショップで動物を見ていたタクヤは、大きなタマゴを返しに来たおばあさんからタマゴをゆずりうける。タマゴが割れて出てきたのはなんとカイジュウの赤ちゃんだった!かわいがるタクヤの元に、ある日、おとうちゃんカイジュウが現れて…。兄弟や家族の暖かさを描いた傑作童話。(「BOOK」データベースより)

赤ちゃんの弟シンヤがいるタクヤは、おにいちゃんになってから、不満がいっぱい。かわいい子犬が飼いたいのに、シンヤが大きくなるまで飼えない。
いつも、おにいちゃんだからと、我慢させられている子ども心によりそった語りは、素晴らしいリアリズム童話の流れで、一瞬、タイトルの印象を忘れてしまうほど。
そこから、ファンタジーになだれこむストーリー展開がお見事!
お母さんも赤ちゃんも、お兄ちゃんもたのしめる一冊だと思います。