大人になった君たちへ2015/9/17更新

今後、教科書には、現政府の見解を入れないと不合格になるそうです。
このままでは、いつか、児童書にも、そういう圧力がかかってくるかもしれません。
そうなれば、書かれていないことを読み取り、また、書かれていることの嘘も読み取る。そういう力を蓄えないと、子どもたちにも、大人にも、今後の未来はありません。

これまで、私の児童書には、大人の読者さんが沢山いらして、時々、「ここまで、めちゃめちゃ面白かったのに、ここまでか!これが児童書の限界なのか〜」って残念がる方がいらっしゃいました。
でも、それは違うんです。
児童書であった『忍剣花百姫伝』シリーズの完結後、読者から、物語のラストシーンの続きの原稿やイラスト、漫画などが沢山送られてきました。原稿用紙何十枚にも及ぶ物語や、本格的な漫画作品など。それらは、何を語っているのか…と、私は考えました。
そうなんです。それは、想像の喜びであり、その想像がどれほど子どもたちの心を育むことでしょう〜
児童書とは、自分で読み、想像し、世界を拡げて楽しむものなのです。
その『忍剣花百姫伝』も、今では、全七巻の一般書の文庫になりました。読んで下さった大人の方々が面白いと口コミで拡げて下さったおかげです。
児童にも読めるように書かれた作品には、大人向きの小説には書いてあるようなことが書いていない場合があります。けれど、それは残念ではなく、実は大きな拡がりになるのです。
児童書のお好きな大人の読者さんには、そのことをよく知っいらっしゃる方が沢山いて下さいます。
もし、まだご存じない方は、この機会にぜひ読んでみて下さい。
子どもほどでないにしても、大人にも大いに想像力はあるのですから、書かれていないことはその先を想像してみて下さい。きっと、書かれていることをすんなり読むより、ずっと楽しいですよ。
そういう本を、児童書、大人の本の変わりなく、今後も書いて行きたいです。

一方で、自分で考え、想像して、判断する。
教育の分野で、そういう自由が奪われようとしている今こそ、子どもたちには、教科書だけでなく、様々な物語を読んで貰わねばなりません。むろん、大人も。
幅広く多くの本を読んで下さい。
それが、自分という存在を、自身の知識と判断で保っていく方法の一つであることは間違いありません。


さて、ここからは、小学生時代から私の本を読んでくれて、今大学生や成人になっている子たちにぜひ読んで貰いたい本の宣伝です。
この夏の新刊『うばかわ姫』は、語ってきたような思想を前面に出したものではなく、人の魂奥深くを探ってみた大人向きの時代ファンタジーの書き下ろし文庫です。
読者が大人ってことでは、小学生時代から私の本を読んでくれて、今大学生や成人になっている子たちにぜひ読んで貰いたい本です。

うばかわ姫 (招き猫文庫)

うばかわ姫 (招き猫文庫)

そして、この本は、これまで児童書では書けなかった、それから先の物語でもあります。
私の児童書シリーズ『恋する新選組』『忍剣花百姫伝』『時空忍者おとめ組!』『月下花伝』『花天新選組』などの読者だった子たちなら、その世界観が、今回の新刊『うばかわ姫』にも漂っているのを感じてくれることだろうと思います。
大人になったファンの子たちに、私から、心からのプレゼントです。
ぜひ読んでくださいね!
月下花伝―時の橋を駆けて

月下花伝―時の橋を駆けて

花天新選組―君よいつの日か会おう

花天新選組―君よいつの日か会おう

恋する新選組(3) (角川つばさ文庫)

恋する新選組(3) (角川つばさ文庫)

時空忍者 おとめ組!(4) (講談社青い鳥文庫)

時空忍者 おとめ組!(4) (講談社青い鳥文庫)