『いのちのパレード』著/八束澄子

美作での鼎談が近づいている。
執筆作品の為の資料読みに追われる毎日だが、八束ねえさんのこれだけは鼎談前に読んでおかねば!と、読みました。

いのちのパレード

いのちのパレード

妊娠?赤ちゃん?なにそれ!うちら、まだ中学生だよ。それはとつぜんの告白だった。野間児童文芸賞受賞作家が描く、いのちと友情のドラマ。思春期の心情によりそう青春小説。 (BOOKデータより)
予想とは違っていた。
青春の蹉跌、妊娠によって悩む少女とその周囲、けれど、きっと救う人が現れて、最悪の結果は招かないんだろうな…と思っていました。
むろん、物語は確かに最悪の結果なんかではありません。でも、厳しい…おためごかしはないのです。
ひたむきに現実と向き合い生きる少年少女たち。さらに大人も……。子を宿した事のある女性なら、誰でも感じたあの驚き、不思議、愛しさと苦しさ…全てが物語の中に内包されています。
児童書ではないからこそ、ためらわず書くことができた事もきっとあったと思います。いのちの重さ、けれども、その生殺与奪を握っているのはその母だけでなく、周囲でもあります。そして、最後に神の意思でもあるのかもしれません。
どんな結果であっても、人を励ます言葉は、大人ではなく、子どもの口からこぼれます。その言葉に生きる勇気を貰うのは、少年少女だけでなく、むしろ、大人そのものなのかもしれません。

今年の12月12日に、あさのさんと八束さんと鼎談します。
鼎談の詳しい情報はここを↓クリック!
http://d.hatena.ne.jp/rieko-k/20150807/P1