わたしの従姉

父方の従姉の一美ちゃんが亡くなりました。
昨日がお通夜、今日が告別式でした。
幼い頃、いっしょに育った5歳上の従姉です。
姉妹のように育ったけれど、子どもの頃から、一美ちゃんが怒った顔も、ことばをあらげるのも見たことがありません。いつでも、どんなときでも、優しいひとでした。
昨日の夜は眠られず、少女の頃のキラキラ輝いていた一美ちゃんを思いだしてばかりいました。
いつも一緒に遊んでくれた一美ちゃんがいつしか思春期になって、なんとなくもう近づきがたくなった頃、私はやっぱり一美ちゃんと遊びたくて、一美ちゃんがいるというテニスコートへ行きました。
その時、一美ちゃんは同級生の男の子とテニスをしていました。いえ、その頃のことだからバドミントンだったかもしれません。
ともかく、明るい陽射しの下で、かっこいいお兄さんと、一美ちゃんが二人っきりで、コートをはさんで、球を打ち合っていました。
その時、まだ小学生だった私は、一美ちゃんはもうお姉さんになってしまったのだと、まぶしいような、寂しいような気持ちになったのを覚えています。
あの時、お日さまの下で、だれよりも輝いていた一美ちゃん。
でも、一美ちゃんは今日もきれいでした。
きれいなまま、一美ちゃんは遠くへ行ってしまいました。
「一美ちゃん、逝くの、早すぎるやん」と、もう一人の従姉、りくちゃんと何度も泣きました。
ご主人は、とても優しい素敵な方です。
心から一美ちゃんを愛して寄り添ってこられたご主人の涙を、一美ちゃんはきっと辛い思いと嬉しい思いで彼岸から見つめていたと思います。
夫婦が思い合って添い遂げること、これ以上の幸せはないよね、一美ちゃん。
「一美ちゃん、幸せやったね」と、話しかけました。
一美ちゃんの写真は、少女の頃とおんなじ優しい笑顔で、集まった人たちをふんわりと見下ろしていました。
一美ちゃんの戒名(法名)は、梅花美称大姉。
清楚で優しくて美しかった一美ちゃんにとても似合っています。