『星空へようこそ』横山充男

[rakuten:book:12933967:image]
懐かしいあの四万十川の町、光と風と青空の天地、高知県一条市が舞台です。
幸太と淳は星空を観測する観望会の小学生会員。二人の願いは、もっと性能のいい望遠鏡を買うこと。当然、両親はそんな贅沢な品は買ってくれません。
そんなある日、淳が、河原でひろっただけの石が高く売れるという話を聞き込みます。二人はさっそく河原の石さがしをします。
とはいえ、そう簡単に石は見つかりません。そこで、幸太はおじいちゃんのウナギ漁を手伝ってお小遣いをもらうことにしました。
そんな時、おじいちゃんの家へやって来たのは、都会育ちの幸太のいとこ愛梨でした。
お父さんを早くに亡くして、キャリアウーマンのお母さんが海外勤務になり、海外での準備ができるまで、愛梨は祖父母に預けられることになったのです。
大人びてなまいきな愛梨に、幸太は逃げ腰になりますが、親友の淳は心を惹かれていくようです。うぶで真っ直ぐで愛すべき少年たちと、心に傷をもつ都会の少女が、星空を通じて出会い、理解し合う爽やかな夏物語。
あとがきによれば、この本の作者も編集長も画家さんもかつて天体少年だったとか。さすがに星空の表現がダイナミック。読んでいるだけで、満天の星が目前に広がります。望遠鏡で宇宙に分け入ってゆく冒険を体験できます。
本を読んだ後は、 きっと、星空を見上げてみたくなりますよ。