新選組に、女はいらん!?

次の〆切が大幅に遅れそうです。つまり、今書いてる花百姫は思う存分書いて下さいといって頂いているので大丈夫なのですが、花百姫が遅れているせいで、その後書く予定の『時空忍者おとめ組3』にかかれなくて、これがまたまた遅れそうです。
というわけで、その話題から逃げます。で、新選組話をひとつ。
新選組に女はいらん!派」の方というのは、これが結構多いのではないかと思います。
実のところ、私の新選組はどれも少女が登場するのですが(設定によってはその方が心に届く場合があるのです)、個人的には、わたしも女はいらん!派なのです。
基本、新選組は、漢(おとこ)の血と汗、漢の誠、漢の武士道、漢と漢の強い絆にこそ、読者は魅力を感じるのだと思います。
でも、性別としてオトコでなければ、漢として生きられないとおっしゃるなら、それには異議があります。
書いてみてよくわかったのですが、漢として生きる少女がいて、その凛々しさを失わず人を愛したら、やっぱりかっこいいし、やっぱり切ないのです。武士道は、性別オトコの特権ではないのです。
『花天新選組 君よいつの日か会おう』の主人公、秋飛は、新選組への愛ゆえに時空をすべりおち、新選組の若い隊士として生きなければならなくなります。それは新選組の中の紅一点として甘い思いをするための設定ではありません。秋飛が少女である自分自身に甘えることなく、新選組の若者たちの愛と誠、その矜持や挫折、痛みや苦しみまでを共に体験するための仕掛けなのです。
少女でありながら男に化け新選組に潜入する物語なら、『風光る』(コミック)のセイちゃんがいます。彼女は男装をすると美少年で隊内ではもてまくり、女姿にもどると沖田先生もついふらふらっとする美女なのです。ちょっと美味しすぎるのだけれども、セイちゃんも、ある意味、武士道の女の子なんです。この『風光る』では、もとはといえば土方&沖田ファンの私も、不憫な斎藤一が愛しくてなりませんが…。(風光るシリーズは『花天新選組』執筆後に1巻から最新刊まで買って読みました。ただし『恋する新選組』シリーズが始まったので、それ以降はしばらく読めません。同じ新選組を描いている関係上、影響されないよう、執筆中はノンフィクション以外は読まないようにしているんです)
恋する新選組』シリーズでは、近藤勇の義妹、宮川空ちゃんは剣士となるために、兄のいる新選組を追って京の都へやって来るのです。空ちゃんはひょんなことから坂本龍馬岡田以蔵とも出会って親しくなりますが、女の子の魅力で彼らを惹き付けたわけではありません。剣士として出会い、友情を育てるのです。9月に出る2巻では、勝海舟&以蔵のツーショットも出てきます。沖田&桂の出会いも……いやあ、漢同士って、やっぱ、いいなあ。
とはいえ、有名な司馬さんの『燃えよ剣』では、土方歳三の恋人お雪さんが素敵です。お雪さんは武士の夫に先立たれた女性です。武士の矜持をもつ凛々しく美しい武士道の女です。このお雪さんがいるからこそ、歳三の武士道もさらに引き立つのです。
かつて、『燃えよ剣』のドラマ化で土方歳三を演じられた栗塚旭さんが、お雪さんに会うときだけ、ひとりの優しい男になるシーンが大好きでした。漢というものは、鋼のなかに繊細な心を隠しているからこそ魅力的なんですよね。
他に新選組ではありませんが、現代少女の武士道といえば『武士道シックスティーン』『武士道セブンティーン』がありますね。売れ行きがいいので、すでにこの続編も出ていますよ。
ほら、こう書いてくると、女だって捨てたものではないのです。これらのご本もぜひ、ご一読を!!
燃えよ剣(上) (新潮文庫) 恋する新選組(1) (角川つばさ文庫) 風光る 26 (フラワーコミックス) 武士道シックスティーン 花天新選組―君よいつの日か会おう
『恋する新選組』書評&レビューはここにあります
『花天新選組』書評&レビューはここ