夢をあきらめない特集

このところ、「夢をあきらめないで」というメッセージがこめられているのかなと思う物語に続けて出会いました。
いえ、ハウツー本とかではないのです、物語なんですけど。
というわけで、それらのご本をご紹介させて頂きます。えっと、その前にお詫びです。
本のご紹介は、〆切の隙間を縫っての道楽にすぎませんので、読ませて頂いた本すべてをきちんとご紹介できず、まことにすみません。
どうせなら、「面白かったよ〜」と、直接お伝えできたほうが嬉しいので、こっそりでも、こちらを見て下さっている作家さんの新刊を優先的にご紹介しています。
どうぞご理解の上、お許しくださいませ。
[rakuten:book:13453341:image] 七頭盲導犬と歩んできた道』作・沢田俊子 写真・野寺夕子
作家も写真家も実は私の親しいお友達です。お二人のシリーズはもう何冊目になったでしょうか。どれを読んでも、犬好きの私は目頭が熱くなってしまうシリーズでもあります。今回は、日本で初めて盲導犬のユーザーとなり、七頭盲導犬たちと人生を歩んできた女性のノンフィクションです。今では信じられないような女性差別、障害者差別があった時代、戦中戦後の動乱を生き抜いた戸井美智子さんが主人公というだけで、この本から学ぶことは沢山あります。いえ、本当の主役は、七頭の犬たち。目が見えなくても夢をあきらめなかった戸井さんと共に歩み、夢を叶えさせてくれた天使のような盲導犬に幸あれ! と、祈らずにいられません。「人生はどちらかです。勇気をもっていどむか。棒にふるか」「人生で最高なもの、もっとも美しいものは、目に見えず、さわることもできません。それは心で感じるものなのです」戸井さんが幼いころに出会ったヘレンケラーの言葉が心に染みる一冊です。
あきらめないでまた明日も―岩田美津子 点字つき絵本にかける夢 『あきらめないでまた明日も』作・越水利江子
戸井さんと同じ全盲の岩田美津子さんの人生を書いた本をなぜここに紹介したかといいますと、岩田さんは戸井さんとは全く違う方法で夢をかなえた人だからです。岩田さんは盲導犬のユーザーにならないと決めて生きてこられた女性です。彼女はいいました。「私のために、盲導犬が一生人だけに尽くして生きるのかと思うと可哀そうなんです」と。いえ、ユーザーと歩むことを心から喜べる犬こそが盲導犬に相応しく、そういう子が盲導犬になっていくのだと、沢田さんの本を読めばわかります。でも、そう感じて盲導犬を頼まず生きることを岩田さんは選び取り、そして、大きな夢をかなえました。夢も方法も人それぞれ、道はいくつもあると知ってもらいたくて、ここにもう一冊の夢をあきらめなかった人の物語を並べておきます。
若おかみは小学生!スペシャル おっこのTAIWANおかみ修業! (講談社青い鳥文庫) 若おかみは小学生! スペシャル TAIWANおかみ修行!』作・令丈ヒロ子
さて、これはお馴染み、大ヒットシリーズのスペシャル版です。若おかみのおっこが、ひょんなことから、台湾の温泉旅行に出ることに。そこで描かれる台湾の温泉事情が面白くて、面白くて。なんと、台湾に、日本式温泉旅館があるって知ってました? 日本と同じ露天風呂があるのを知ってましたか? 台湾の人たちは温泉に水着で入るって知ってました? 超豪華温泉リゾートスパホテルがあるのを知ってましたか? いやその前に、飛行機のファーストクラスがそんなに贅沢なんて知らなかったです。作者の令丈ヒロ子さんは台湾取材に行ってこれを書かれたので、大人が読んでも、まるで一緒に連れてってもらったかのように、温泉や、露天風呂や、豪華スパホテルが浮かびます。いいな、いいな、温泉取材なんてうらやましすぎる。でも、これは小学生の大人気本ですから、そこはそれ、子どもたちが退屈しないように、楽しい事件も盛り沢山。おっこちゃんの活躍で、台湾の姉妹が夢をかなえる物語。けど、ファーストクラス、ほんとに乗ったの!? 令丈さん〜