胸きゅん

↓は『忍剣花百姫伝6星影の結界』の扉絵です。
 【美しき敵役 美女郎】
『忍剣花百姫伝7愛する者たち』の挿絵ラフが陸原さんから届きました。
「すごく、思いがこもってます〜」という担当さんのお言葉通り、どきどきするようなシーンの続出。
ことに、最後のページに、陸原さんが「どうしてもこのシーンを描きたい!」と描いて下さった霧矢と花百姫の絵は、もう、ちょっと、涙が出そうでした。作者なのに……。
陸原さんの絵はこれまでも毎回素晴らしいのですが、今回の完結編は、もはや陸原さんご自身までが花百姫の世界の住人になられたかのように、胸に迫ります。
完結編にふさわしい一冊になると思いました。
もともと私の本は、どれも発売当初に爆発的に売れたりはしませんが、じわじわ浸透して口コミで売れていく本が多いです。
でも、この忍剣花百姫伝シリーズほど波乱万丈だった本はありません。
スタート時はエンタテインメント革命と銘打たれ、Dreamスマッシュシリーズの一冊として、超人気作家さんたちと並んでの華やかなスタートでした。
ところが、このころ、児童書界には文庫化の大波が押し寄せており、それらの文庫よりやや高い値段設定のDreamスマッシュ全体が伸び悩んでしまったのです。
花百姫もあわやシリーズ打ちきりかの危機に瀕したのですが、そこを救ってくださったのが編集部のみなさまの深い愛情でした。
編集現場が断固として護って下さり、シリーズ続行となりましたが、しかしDreamスマッシュ全体がすでに書店におかれなくなっていたので、いったいどうなることかと思っていました。
けれども、図書館セットとして売り出されてから、信じられない奇跡が起き始めました。
なんと、小、中学、高校などの多くの図書館で、生徒さんの口コミだけで爆発的に借り出されるようになったのです。
今や図書館棚には、花百姫が一冊もない!という事態にまでなっているそうなのです。
図書館での入荷が待ち切れず、やや高価であるにかかわらず、続きを早く読みたくて書店で買ってくれる人も増えています。
スタート以来、じわじわすぎた花百姫ですが、それでも、編集さんに愛され護られ、その結果、物語に夢中になってくれた子たちがどんどん増えて、友達にすすめてくれることで、またどんどん広がっていくなんて、作家としては夢のような話です。
ああ、夢よ、終わらないで〜 ほんとにありがとう〜 読んでくれたみんな!
これこそ、胸がキュ〜ンとします。