鉱物見本と『水晶山脈』

ツィッターを始めて嬉しかったことのひとつは、昔から大好きだったたむらしげるさんに出会えたこと。
たむらさんの絵本に最初に出会ったのは、『うちゅうスケート』でした。
うちゅうスケート (TamuraShigeruCollection)
深い青の色彩とイメージの壮大さ、さらにキャラクターの可愛らしさに、私はこの一冊で、たむらさんの絵本のとりこになりました。
その後、書店の絵本売場でたむらさんの絵本をみつけたら買うようになり、今も、古びても美しさを失わない絵本の数々が本棚に並んでいます。
たむらさんの絵本はどれも好きです。
ダーナ (イメージの森)なかでも、『ダーナ』は、無限の宇宙のちっぽけな星に住まう者の、愛と切なさに満ちた絵本でした。
どんなふうに?とは、たむらさんの絵本に限っては説明したくないのです。
何も知らず、手にとって広げれば絵本の世界に引き込まれていく…その心地よさ、その不思議を味わってほしいから。

そして、この『水晶山脈』を読んだ時もそうでした。
アクアマリン、水晶、ルビー、蛍石トルマリン……登場する鉱物たちがどれほどの不思議を隠しているのか、どうか、楽しんで下さい。
写真の鉱物見本は、京都丹波にある戦争の遺跡「マンガン記念館」で買ったもの。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に美しく描かれる鉱物をさわったり、日に透かしたりしてみたくて。
残念ながら、私の買える範囲のものですから、ここには高価なルビーやアクアマリンは入っていませんが。
でも、こうやって並べると、あの時まだ出会っていなかったこの絵本『水晶山脈』に出会う日のために、これを買ったような気もしてきます。