怪談絵本の凄み

ツイッターでも噂の、本格怪談絵本のご紹介を致します。
もう、これは、大人が読んでも怖いです。じわじわ迫ってくる恐怖体験を、ぜひ一度!
怪談えほん (1) 悪い本 怪談えほん (1) 悪い本
作/宮部みゆき 絵/吉田尚令
さすが、宮部みゆきさま。怖すぎます。
子供でもわかる設定で、じわりじわり迫ってくる恐怖。
人間の内面に深く切り込んでくる展開に息をのみ、怖いけど、ページをめくらずにいられない。
この怖さの悦楽……そして、最後は、声も出ません。ただ、茫然と、絵本を閉じるだけ。
怖い、けれど、読まずにはいられない吸引力の絵本です。
そしてまた、吉田尚令さんの絵が素晴らしく、怖い! 可愛いのに、怖い!
物語と絵がこの上なく調和した最高傑作です。
吉田尚令さん、いつか、拙作にも絵を描いて下さい〜(と、願わずにはいられません)



怪談えほん (2) マイマイとナイナイ 怪談えほん (2) マイマイとナイナイ
作/皆川博子 絵/宇野亜喜良
これはもう、神さまみたいなお二人のお作品。
物語は、優しい童話のように始まるのに、どんどん怖くなります。「まずいっ、逃げたい!」と思った時は手遅れ、絵本の主人公も、読者も囚われの身です。
宇野亜喜良さまの絵は、限りなく美しいのに、恐ろしく怖いのです。子供は泣いちゃうかもしれません。でも、一生忘れないでしょう。
世の中に暗闇がなければ、幽霊もおばけも妖怪も、人間は想像しなかったでしょう。そして、自然を畏れもしなかった。
見えない何かへの畏怖こそが、空想力であり人間力です。
怖すぎて泣いちゃう体験は、子供ばかりだけでなく、大人にも必要なのです。(written by 越水利江子