『緑のトンネルをぬけて』

緑のトンネルをぬけて (おはなしガーデン30)
『緑のトンネルをぬけて』
小学5年生のまゆは、それほど目立つわけでもない。学級委員の本田さんは物事をはっきり言うので、苦手だ。それにひきかえ、1年生になったばかりの弟は明るく元気で、弟から気づかされることもある。生協の商品を届けにいく神社のそばで出会うおばあさんや不登校中の同級生との関わりの中で、まゆに変化がおとづれる・・・(amazon内容紹介より)

こちらは、児童文学です。季節風同人(あさのあつこ代表、越水も同人です)の岸史子さんのデビュー作。
子供心に寄り添って書かれた、心温まる物語です。
ほんの小さな勇気が、友達の閉ざされた心をひらき、互いの心と心を結び合わせることがあると知っていても、なかなか勇気を出せないのが人間です。
でも、この物語は、子供たちに、勇気や正義を強要したりなんかしません。
じっくりゆっくり子供の心に寄り添って、たった一歩の距離をちぢめることの大切さを描いてくれました。
そう、スーパーマンの勇気はいらない、ほんの一歩、ほんの一声、たったそれだけでいいのだと、子供たちを優しくつつむ物語でした。