アンソロジーの花束

今回は、アンソロジー特集です。

初恋ダイアリー 片思い (単行本)

初恋ダイアリー 片思い (単行本)

宮下恵茉・成田 サトコ・濱野 京子 著【片思い編】
初恋ダイアリー 告白 (単行本)

初恋ダイアリー 告白 (単行本)

宮下恵茉・成田 サトコ・濱野 京子 著【告白編】
片思い編の続編、告白編です。三人の若手人気女性作家による連載初恋日記とでもいいましょうか。片思い編から告白編へ物語はつながってます。
宮下恵茉さんの「アイドルをさがせ!」は、女子の大イベント、バレンタインを前に、幼なじみのれおが気になんてしまったつかさ。うち、ほんまにれおを好きなん? 関西弁の軽妙なタッチで描く女の子たちの胸キュン物語は、次回に続きます。
成田サトコさん、浜野京子さんの初恋物語も、まだ続くみたい。単行本なのに、雑誌みたいに、三人の作家の連載方式って、なんか新しい。ドキドキします。
妖精のプリンセス (マジカル★ストリート )

妖精のプリンセス (マジカル★ストリート )

楠章子・河俣規世佳・たからしげる・日向理恵子・山末やすえ・坂元純・石井睦美の七作家による、魔女や妖精の不思議な七つのお話。
表題作「妖精のプリンセス」は、楠章子さん作。シャナ、リリ、マハ、そしてモアの四人は、妖精国のプリンセス候補。シャナ、リリ、マハは、それぞれ美しく、りこうな娘でしたが、地味なモナは自信がありません。四人は、王子さまに食べてほしい料理の腕を競うことになりましたが…。
「公園の魔神」は、たからしげるさん作。圭太は、誰もいない寂しい公園で、やけに存在感のある怪しげなおじさんに声をかけられます。「このあたり、どこかにランプが落ちていませんでしたか?」と。導入から読者を掴んでいく手腕はさすが。
おはなしの森

おはなしの森

神戸新聞に掲載された19人の作家のアンソロジー
岡村佳奈・畑中弘子・森くま堂・西村さとみ・かねこかずこ・河本克美・うたかいずみ・高浜直子・赤木きよみ・しんやひろゆき・石川純子・戸沢たか子・陶山公子・中住千春・石神誠・三島陽子・木村恵子・うちだちえ・白矢三恵 著
「ぼくはカタツムリ」は、岡村佳奈さん作。とても可愛いくてきれいなお話です。ナナイロカタツムリの坊やに、私も会いたくなりました。ミサエおばさんがうらやましいな。
「クマ町」は、森くま堂さん作。コンコン風邪をひいてしまったクマのお父さんは、忙しそうなお母さんや、外で遊ぶ息子のクマオの声を聞いて、「ぼくもクマオと遊びたいのに…」と、寂しくなりました。すると、不思議なことが…。
著者の中に、プレアデス同人と元同人が五人も。岡村さん、畑中さん、赤木さん、しんやさん、石神さん。森くま堂さんは季節風同人。身近な人がこんなに多いアンソロを読んだのは、初めてかも。