『カンナ道の向こうへ』著/くぼひでき

カンナ道のむこうへ (Green Books)

カンナ道のむこうへ (Green Books)

カンナは小学6年生。まわりが自分の夢に向かってがんばっている人ばかりで、最近わけもなくあせっている。教員採用試験を受けつづけるお母さん、資格マニアのおとうさん、自分のカフェを開きたくて奮闘するいとこの真水ちゃん、ママにあこがれ薬剤師を目指す親友の桃…みんなそれぞれすてきに見える。けど、わたしは何をしたらいいんだろう。「夢」を探すカンナの夏休みが始まった―第10回長編児童文学新人賞受賞作。(内容紹介より)
「将来の夢は?」と聞かれて、小学6年生はどうこたえるのだろうか?
確か、私は「漫画家!」とこたえたと思う。その頃、描くのも読むのも漫画が大好きだったからという理由で。
小学生の頃の夢はそんなものだ。それでいいと思う。
その夢が本当に叶う人もあれば、違った夢を見つける人もいる。どちらにしても、小学生の頃に抱いた夢が無意味だったなんてことは、まったくない。
小学生の頃の夢が、実は、今の夢に繋がっているのです。そんなことを思った物語でした。
読みやすく楽しく、しかも、お菓子やお料理のレシピまで掲載されていて退屈させません。
カンナ道で出会った不思議な女の子、片方だけのこっぽり……このシーンが現実的な物語に、ほっとさせるようなファンタジーを添えています。
このシーンだけでも、新たなもう一つの物語が生まれそうに思いました。