『ラスト・スパート』(あかね書房)

amazonでは、まだ画像なしでしたので、画像アップしました〜

ラスト・スパート! (スプラッシュ・ストーリーズ)

ラスト・スパート! (スプラッシュ・ストーリーズ)

四万十川が豊かに流れる高知の町で、小学校最後の春をむかえた翔と親友の正信。町は、お祭り好きの大人たちのおかげで活気があるが、翔たちは、ただ元気に毎日をすごしているだけだった。そんなある日、河川敷でくらす男と出会う…。(BOOKデータより)
横山充男さんの新作です。
横山さんといえば、太陽、海、夏、少年たちの名作が数多くあります。
児童文学に希少な、本格少年文学の作家さんです。
今回も危なげなく、太陽の下、元気いっぱい駆け回る少年たちが、もう、本から飛び出してきそうです。
女性作家には決して書けない世界。
いや、それだけではなく、あの高知の海と川の町、四万十川流域に育った人にしか書けない物語です。
あの空と太陽の下で育てば、子どもはみんな健康になる〜♪ そんな気がするほど、子どもらしい、少年たちらしい物語です。
都会暮らしの鬱屈した暗い少年などは出てきません。
スコーンと突き抜けた青空と、少年たちの吹き出す汗と、心地よい風の物語。
そう、私も四万十へは数度行きましたが、あの町は、海風の町でもあるのです。
あの町では、少年たちだけでなく、おじさんたちもスコーンと突き抜けていて、いつまでも少年の顔をしているような気がします。心のくったくが昇華されて、明るくなるような物語です。