『すてもる』(佼成出版)著/はやみず陽子・絵/鈴木びんこ

すてもる (いのちいきいきシリーズ)

すてもる (いのちいきいきシリーズ)

おれんちの庭に、モルモット!? 自宅の庭で、二匹の「捨てモルモット」を発見した小学生の啓太は、つかまえて自分で飼おうとしますが、うまくいかず……。動物を飼うことの責任と、命の重さをしっかりと見つめた物語です。 (内容紹介より)
作者の体験から生まれた物語です。
命と触れあうことの喜び、責任……そして、たった一人の人間にはどうしようもない社会の仕組みにまで踏み込んだ物語です。
子どもの本では、生き物との触れ合いや喜びの物語は多数あります。それは、子どもたちが幼い時に動物などの命と触れあうことで、驚くほどに、人として成長するのを目にしてきた児童文学作家たちが、もし、実際に動物を飼うことができなくても、物語によってその喜びを感じてほしい、成長してほしいという願いをこめているからだと思います。
一方で、子どもたちには知らせたくない社会の仕組みもあって、そこは子どもたちを傷つけないよう書かないでいる物語もあります。それはそれとして、悪い事ではないと思います。場合によっては、そういう判断も必要だからです。
でも、この物語は、そこへ踏み込むことで、未来の子どもたちや動物たちにとっての幸せを描いて下さいました。
家族で読んで、社会の仕組みを考え話し合って、「そう、乗り越えようよ〜 できるよ、きっと!」と、元気がもらえる一冊です!