『白瑠璃の輝き』(著/国元アルカ 絵/森川泉)

白瑠璃の輝き

白瑠璃の輝き

事件を起こした拓は仲間とはなれ、奈良の祖母のもとでくらすことになった。今と歴史が共存し、夜の闇が深い奈良の暮らしは、しだいに拓の心に不思議な変化をもたらしていく。春日の森で行き会う黒い服を着た謎の美少女や、並はずれた画才をもちながら、不良仲間にひきずられる同級生の瑠輝とかかわるうちに拓は、心の奥にひそむ甘えや、鬼の存在をのりこえていく。 (BOOKデータより)
『白瑠璃の輝き』は、2012年第15回児童文芸家協会創作コンクール優秀賞、文部科学大臣賞受賞作品で、国元アルカさんの初の単行本となりました〜
親や学校とうまくやっていけない二人の少年、拓と瑠輝の友情を描いた心温まる物語です。
奈良や京都の寺社仏閣を愛する国元さんならではの世界観。
思春期が出会う痛みをリアルに描きつつ、空想と現実のはざまに漂う摩訶不思議な空間をも見たように描けるのは、この作者の取材の徹底によるものだと感じました。
取材が物語を動かしていくという事実を、物語の中で感じました。
物語の最後の拓と瑠輝の「白瑠璃」についての会話が素敵でした。二人の少年の心が、そっとよりそった瞬間に、この物語は、本当に白瑠璃のように輝いたような気がしました。
森川さんの絵も素晴らしかった!

そうそう、宮下さんも、国元さんも、関西の児童文学同人誌【プレアデス】の同人作家です。
プレアデスはめきめき今売出し中の中堅、新人作家が多数参加している同人です。