命輝く季節

開花前に剪定された花枝が満開になりました。
伐られてもこんなに咲く花が愛しくてなりません。部屋に挿した小さな枝には、すでに若葉が開き始めていて、このままだと、玄関のこの花枝も葉桜になるはず……そうなるまで、ずっと活けておきたいと思います。
人の勝手で伐られる植物も、命を絶たれる動物も、その命の輝きは侵しがたいものを感じます。
それらの命を糧に生きる私たち自身が、己の人生を否定したら、命を捧げさせられた者たちに申し訳がたちません。
せめて、来たるべき死のその時まで、この世界の役に立つ仕事を精一杯やってから逝きたい……と、強く思います。
たとえ、誰にとって、わたしが必要のない者であっても……。
ここまで生きて、無垢な命に支えられてきたわたしという存在は、わたしだけのものじゃない。
一人であっても、孤独であっても、人は生まれたその時から、多くの命を生きているのです。ですから、わたしは、私の中の多くの命のためによく生きる義務を負っているのです。
そうなんだよ、さあ、元気を出して……と、春の花は教えてくれます〜