★このシーンが好き!『うばかわ姫』を覗いてみる


うばかわ姫 (招き猫文庫)

うばかわ姫 (招き猫文庫)

 幾日ぶりであろうか、老いさらばえた我が身を目にしたくないために、しばらく水さえ浴びようと思わなかったが、この夜は、独り淵に立ち、小袖を脱ぎ捨てた。
 望の月の下、裸身を暗い淵に沈めると、夏の頃より冷やかさを増した水に、身が縮むようであった。その水辺で身体をきよめ、水から上がった野朱(のあけ)の裸身を、淵の水が光の粒となって伝い流れた。
 野朱の髪、額、頬を淵の水が流れ落ち、その頸、肩、二の腕から、するすると姥皮が脱げて、白くなめらかな乙女の肌があらわれた。
 野朱は、両手でたしかめるように、我が身を抱きかかえた。
(わ、わたしの身体……!)

※読者さんから届いた「このシーンが好き!」の数行です。 続きは、ぜひ本で読んで下さいね♡