[今日の本棚]『ばけもの長屋のおはなちゃん 大さわぎ!ばけもの芝居と白いねこ』著/岩崎京子・絵/長谷川義史(文渓堂)

ここは、花のお江戸のとある長屋。近ごろここらの評判は、本物のばけものたちが演じるばけもの芝居。そこにやってきた白ねこ、おたま。おたまが語るは芝居小屋のもとの持ち主、旗本大谷さまの大災難。びんぼう神、ばけものたちにおはなちゃん、いつもの面子にちょいとなまいきな白ねこがくわわって、大谷さまのえん罪はらしに大活躍!笑いと涙の人情話第3弾!(BOOKデータより)
作家も画家も、名著多数の岩崎京子さんと長谷川義史さんのコンビです。
この「ばけもの長屋」のシリーズの面白さは、人間もばけものも、ふつうに長屋の隣人のように暮らしているところです。
長屋のご隠居と貧乏神が仲良しだったりなんて、当たり前。見越し入道もいれば、天狗も一つ目も、ろくろく首もいます。今回は、化け猫といってもいいような白猫も! このばけものたちと長屋の住人が、互いにボケたり、突っ込んだりの関係なので、ほんと楽しい〜♪です。ばけものたちが演じる芝居小屋を用意するのは、お隣の人間たち。
その出し物は、江戸の偉い人たちのお家騒動っていうんだから、これが普通の芝居になるはずはありません。
はてさて、どうなることやら〜
岩崎京子さんの時代小説は、いつも勉強になります。明るくて楽しいのはもちろんですが、かといって、時代考証はぬかりなく、今回、私も初めて知ったのは、「与一」という名は、男の子の名前、一郎、二郎、三郎、四郎、五郎、六郎、七郎、八郎、九郎、十郎の次に生まれた子に付ける名前だということ。そんなこと、知ってる人、今は滅多にいないんじゃないかな?お母さんやお父さんに教えてあげたら、きっと、感心されるよ♥