『結び蝶物語』#あかね書房


結び蝶物語

結び蝶物語

私と同じ年に新人賞を得てデビューされた横山充男さんの新刊です。これまで、歴史ファンタジーシリーズの数々を世に送り出してきた作家だからこそ、現代と過ぎ去りし世の人々の魂をめぐり合わせ、さらに、つないでゆく物語を書いてくれました。殺伐とした現代でも、ロマンと出逢わせてくれる断片は、そこここに落ちていると気付かせてくれる一冊です。
中学生のあかりは、祖母の家で「二ツ蝶」の家紋に出会い、自分のルーツに興味を抱く。残っていた資料を調べたあかりは、滋賀の高宮神社、兵庫の生石神社、京都の下御霊神社を訪ね、その場でスケッチをしながら先祖に思いをはせると……。戦国時代の徳川家康と少女、古墳時代の石工職人と巫女、幕末から明治にかけての坂本龍馬と菓子屋の孫娘と、時空を超えた先祖たちの三つの物語を、子孫である主人公のあかりがつなげていく。 (BOOKデータより)