重版出来!『源氏物語 時の姫君 いつか、めぐりあうまで』#角川つばさ文庫 9刷です \(^o^)/


わたし、ゆかりの姫。母上はわたしを産んですぐに亡くなられたので、ばばさまと一緒に暮らしている。わたしの願いはばばさまの病気が良くなること、それから、あの方にもう一度会うこと。ひとめ見たら忘れられないほど美しく光かがやいていて、でも、どこかはかなく消えてしまいそうに見えたの…。日本人が千年愛し続けてきた物語が新たによみがえる。“いちばん最初に出会う”「源氏物語」。小学上級から。 (BOOKデータより)

図書館センター二周年記念フェアの江戸時代特集の棚で、『東海道中膝栗毛 弥次さん北さんずっこけお化け旅』#岩崎書店 など、岩崎書店さんの「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズも並べて頂いています❣



図書館センター二周年記念フェアの江戸時代特集の棚には、学校図書館の司書さんや先生方、図書委員の生徒さん達もおみえになるとか。本と出会って頂く素晴らしい場です。ありがとうございます〜

『手をつないだままさくらんぼの館で』#KADOKAWA 著/令丈ヒロ子


楽しい展開にワクワクしながら読んでいたのに、気が付けば、思いもしない世界に堕ちていた…という衝撃。ただの読者なのに、主人公が感じるすべてに、私もすがるように読み進めていました。それは、描き出された世界が楽しかったからこその、喪失の哀しみでした。『帰ってきて!りりなっ!』と、私も心の中で呼び続けていたような気がします。そうする中現れてくる、さらに苦しい喪失……認めたくなくて、白桜館に還りたくて……けれど、人生においての喪失とはそういうものなのです。その哀しみを、痛みを受け入れつつ、顔を上げて生きていく主人公の思いが胸に迫りました。けれど、けれど、人生において、ファンタジーがどれほどの力を与えてくれるのかを、教えてくれた物語でもありました。人はいつでも脳内でファンタジーを描きながら生きているのです。実際、人が眠っている間見る夢とはそういうものです。辛い苦しい現実の中だけでは、人は息が詰まって、うつ病になったり、自殺を考えたりしてしまうものなのです。それを食い止めているのが、脳が作り出しているファンタジー、つまり夢なのです。夢見て、バランスをとるからこそ、人は生きていられるのだと、以前読んだ学術書を思い出したりしました。そう、この物語は、人生の喪失をやさしく癒してくれる物語なのです。ありがとう〜令丈ねえさん

大学生で作家のぼくは、入院した遠縁のおばあさんの家…白い桜の木がある、アニメに出てきそうな洋館・「白桜館」の管理を任された。そこに突然、“りりな”と称する謎の多い10歳の女の子が現れた。わがままなりりなの世話と執筆に追われつつ、ぼくは今まで味わったことのない満たされた日々を感じていた。しかしそんな二人の日々は唐突に終わりを告げた―。二人が向かった先とは?りりなの本当の姿は?愛することを見失ってしまったすべての年齢の人たちに届けたい、愛と希望と感動の物語。 (BOOKデータより)

『教科書に書かれなかった戦争67 ラケットはもうつくれない、もうつくれない―戦時下、下町職人の記憶』#梨の木舎 著/青海美砂・絵/五十嵐志朗


この本は、戦時にラケット職人だった父や兄の証言をもとに書かれた戦争児童文学です。まず物語としてどうとか言う前に、戦時の庶民の暮らしやその辛さが記録されており、創作ながら、庶民のドキュメントのような仕上がりになっています。戦後70年を過ぎた私たちの国「日本」が、今向かおうとしている政治の怖さもひしひしと感じます。推薦は、作家/きどのりこさん。戦争へ向かう国の恐ろしさ、国家に統制された情報しか流されない戦時の恐怖が描かれている点だけでも、今の日本人が知らなければならない事実が見えてきます。今、この時だからこそ、書かずにいられなかったという作者の気持ちは、私が『ガラスの梨 ちいやんの戦争』#ポプラ社 を書いた時の気持ちと同じでした。「私が書かねば、だれが書く!?」私もそう思ったものでした。
以下に、今夏から秋にかけて出版された戦争児童文学などをご紹介しておきますけれど、ちなみにこの本は残念ながら、まだネットでは見つかりませんでした。

花あかりともして

花あかりともして

マレスケの虹 (Sunnyside Books)

マレスケの虹 (Sunnyside Books)

【2018/11/12】『ガラスの梨 ちいやんの戦争』#ポプラ社 友人や読者さんのご感想を更新しました!(追々、更新いたします)



NEWショーン‏ @soireeT↓さん
「ガラスの梨」越水利江子/著(ポプラ社)読みました。優しい兄やんが召集されて間もなく戦死!戦火に逃げまどう具体的な描写、近しい身内でも戦争中となると鬼にもなる。真の庶民の戦争を見た。未来に残すべき本。

NEW大島理惠↓さん
拝読しました! ガラスの梨、そういうものを見た気がして、なつかしく、美しかったです。戦争の描写はおそろしかったです。戦死のあっけない知らせ、動物たちが、やはりかわいそうでしたね…。書くのがおつらかっただろうと思いました。キラと笑生子の力強さにすくわれました。ふつうの生活をしていただけなのに、なぜこんな死に方を…。人も動物も社会も、そんなふうには死にたくないのですよね。p339が一番好きです。「せいいっぱい生きぬいてから、自然の中で亡くなった命の終わりを」だれもがそんなふうに、生を生きて終わりにしたい、それが幸福なのだと思いました。

NEWオガサワラムツミ↓さん
「ガラスの梨 ちいやんの戦争」読みました。悲しみと悔しさと、怒りでいっぱい泣けました。こんな戦争があったこと忘れちゃいけないし、二度と戦争なんかしちゃいけないと思いました。
 
NEW綾↓さん
『ガラスの梨/越水利江子』(ポプラ社) 戦争をテーマにした本はたくさんあるけれど、こちらは著者のお母様の体験をもとに書かれたということで、とてもリアルだなと読んで感じました。ねずみのおじさんが動物園のヒョウを殺せなかった事を悔いているシーンがとても印象的でした。戦争は人間から心を奪ってしまうんだなと。そんな中いつも凛としている澄恵美ねえやんが強くて素敵だなと思い、こういう話は家族で共有したいなと思いました。この夏は戦争や日本の歴史に関する本を読む機会が多くて、改めて考えさせられる事がありました!
NEW加藤浩子さん↓
FB友だちのお知り合いの児童文学作家、越水利江子さんの「ガラスの梨 ちいやんの戦争 絵 / 牧野千穂さん」(ポプラ社)を読んだ。昭和16年、当時国民学校の三年生だったちいやん(越水さんご自身のお母様)とそのご家族の穏やかな暮らしに戦争が暗い影を落とし始め、国全体が時代に飲み込まれいくさまが緻密な取材を元に丁寧に、空襲の場面に於いては胸が張り裂けそうになるくらい鮮明に、描かれている。
戦争が終わって73年が過ぎようとしているが、毎年この時期になると必ず目や耳にするこうした数えきれない悲話。私たちはそれらを見聞きするだけで、戦争がどういうものかを知った気になっていないだろうか? 鈍感になってしまっていないだろうか? 主人公のちいやんが連れて行ってくれたあの時代の、ちいやんとその家族がくぐり抜けた凄惨な体験を知ることで、いやいや私たちはまったく戦争を知ってなどいないんだ、と気づかされる。8月12日にNHKで放送された「”駅の子”の闘い〜語り始めた戦争孤児」、8月19日放送の「届かなかった手紙」も然り。私たち人間はバカだから、終戦からどれだけ年月が過ぎようと、戦争に纏わる体験談や書物や映像に目を向け、耳を傾け、自分のあたまで考え、道を誤らないようになければならないと改めて思った。


NEW土居正二↓さん
「ガラスの梨」読みました。読み終わって、深い感動に包まれました。ちいやんの行動に自分を重ねて読んでいました。若くして亡くなった、成年兄やんに、こんな青年でありたかったと好きになりました。本当に、戦争はしてはいけないとの思いが募り、今の世の中で戦争に向かうことを、食い止める働きをしたいと考えています。越水さん、ありがとう❤ございます。
NEWかもめ通信‏ @kamometuusinさん
戦後70年以上がたち、子どもたちはもちろんその親の世代でさえも、実際に戦争を体験した世代の話に直接耳を傾ける機会はなかなかないのではなかろうか。だからこそ、そして今だからこそ、お薦めしたい1冊だ。『ガラスの梨 ちいやんの戦争/越水利江子/ポプラ社http://bit.ly/2Bchs0d #本が好き URLクリック↓ http://www.honzuki.jp/book/266624/review/210129/

NEW@eu_rasiaさん↓
『ガラスの梨 ちいやんの戦争』(ポプラ社)越水利江子著、読了。庶民の日常を壊していく戦争の恐ろしさと悲しさが、美しい文章で綴られていた。戦争の記録としても、貴重だと思った。多くの人に読んで欲しい。
『ガラスの梨』いやこれは渾身の作!戦後75年がたった今の時代によくぞここまで書き切った。ピカドンやほたるの墓を経験済みの大人の私ですら大阪空襲の臨場感と続く絶望にはマジ泣きしました。序盤で馬やヒョウが人なつこくて可愛いのがもう最悪でしたね。挿絵もすごく良くて、白黒だからこそ序盤の夕焼けの中のお兄ちゃんと馬の美しいシルエットと、佳境での炎の馬のシルエットの対比がバリバリに効いててより一層胸に来るものがありました。これは小学生に良い意味でのトラウマを与えるでしょうね。すべて読み終えた後の作者のプロフィールのさりげない一文がまたいい。
追記。天王寺動物園の飼育係のおっちゃんの慟哭を思い出しただけで、ゾウ・・・!ヒョウ・・・!!と泣いてたんですが、画像検索でそのヒョウの写真出てきて可愛がってた飼育係さんが自ら絞殺した話がまさかの史実と知って打ちのめされています。何それ・・・!しかも剥製あるのか・・・まじか・・・!

NEW@Vesisuihkuさん↓
「ガラスの梨 ちいやんの戦争」読み終わりました。ひたすらずっとぼろぼろ泣きながら読んでいました。
「すごい、すごくて、感想を文に起こせない…でも、本当に読んでよかったなって思いました。また読もう
NEW糸子@書店員さん↓ 
『ガラスの梨 ちいやんの戦争』
TLに流れてきて知り、読んでみたい読まなければ、と。
入荷がなかったので取り寄せました。
夏休みに、子どもと読んで語り合いたいと思います。

ガラスの梨 ちいやんの戦争 感想 越水 利江子 - 読書メーター↓クリック
https://bookmeter.com/books/12989517
ガラスの梨 ちいやんの戦争 越水利江子 - amazonページ↓クリック
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%A2%A8-%E3%81%A1%E3%81%84%E3%82%84%E3%82%93%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89-%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9-%E7%89%A7%E9%87%8E-%E5%8D%83%E7%A9%82/dp/4591159086/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1533950474&sr=1-1&keywords=%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%A2%A8

「日本児童文学」2018年11月・12月号に寄稿しました〜


エッセイ「上達のヒケツ!」として、作家/安東みきえさん、いとうみくさん、おおぎやなぎちかさん、服部千春さん、みおちづるさん達との特集ページです。どの方も今を時めく作家さんで、どのエッセイも面白い〜です。でも、このタイトルを頂いて困惑したのは、私だけではないようです。そんな秘訣があるなら私が知りたいと書いた方も、お一人ではありませんでした。
でも、私は作家生活25年を振り返って、これだ!と思い至ったことを書いてみました。










『車夫』#小峰書店 著/いとうみく



〆切に追われてアップできなかったいとうみくさんの車夫シリーズ。完結を祝してアップ致します。
父の出奔の上、母までがいなくなって、いわば世の中に一人ぼっちで放り出された十七歳の少年、吉瀬走が、高校中退して始めた仕事は人力車の車夫であった。その走を巡って連なる人間模様を描いた物語です。
第一巻を読み始めて、冒頭から、涙ぐんでしまいました。というのは、母を亡くした悠木乃亜が再婚しようとする父とその恋人のデートを追っていました。さらに足を靴擦れしたけれど、痛みをこらえて追っているところを、走の人力車に乗せてもらうのです。「尾行にはむきません」とつけられた章タイトルの中、乃亜の葛藤……に接する走の爽やかさに、ついつい私は微笑んでしまい、同時に涙ぐんだのかもしれません。つまり、冒頭一番、ハートを掴まれた物語でした。
二巻では、この乃亜が父の再婚を受け入れる物語が挿入されていますが、この二巻三巻あたりから、私は人力車に乗ったことがないのに、俥(くるま)に乗っている人が感じる風や音を感じるようになってきました。

キシッキシッ
たったったったったっ
キシッキシッ

ほら、走の走る姿と風、俥のきしむ音が聞こえませんか?
そして、この物語の帯の言葉は、どの巻も物語を語ってくれています。下手なネタバレや感想を語るより、それぞれの帯に語られた言葉の意味を知りたかったら、ぜひこの物語を読んで下さいね。

車夫 (Sunnyside Books)

車夫 (Sunnyside Books)

車夫2 (Sunnyside Books)

車夫2 (Sunnyside Books)

車夫3: 雨晴れ (3) (Sunnyside Books)

車夫3: 雨晴れ (3) (Sunnyside Books)