「久留米がすりのうた 井上でん物語」岩崎京子

rieko-k2008-02-04

ずっと以前に送って頂いて、もともと、岩崎京子ファン(ほんとは岩崎先生とお呼びしているのです)の私は、読みたい読みたいと思いながら、年末年始の〆切に追われ、ようやく一昨日読めました。
深夜1時半に寝床に入って、せめて眠たくなるまで読もうと思っていたら、なんと、面白くてやめられず、とうとう最後まで読み切ってしまいました。就寝したのは、おそらく4時頃でした。
井上でんという久留米がすりを創作した幕末期の女性の実話を元にした小説なのですが、心が洗われるような清々しいおおらかな文章>もう神業です!
さらに久留米の方言が生きていて、登場人物がまるで、目の前でドラマを演じてくれているように読めました。小説としては短編だし、物語は実話ですから決して派手なものではありません。
でも、当時の女性の気持ちが直に伝わってきて、心からでんの幸せを祈りたくなりました。文章も練達すると、ここまで清々しくなるのかと、しみじみ感動するのは毎度のことですが、今回もいいものを読ませて頂きました。

久留米がすりのうた―井上でん物語

久留米がすりのうた―井上でん物語