『花天新選組 君よいつの日か会おう』を読んで下さった方だけに〜

未読の方にネタバレになってはいけないので、伏せ字です。既読の方だけ、反転させて読んで下さいね。
読んで下さった方のご感想の中に、「もっともっと秋飛の物語が読みたいです。」と書いてきて下さった方がいらっしゃいました。ありがとうございます。作者も、秋飛のこれからの物語を書いてみたい気持ちはありますが、ひとまず、この物語はここで終わらせて下さいまし。
なぜなら、この物語は現代の少女が、新選組の魂である誠の心に目覚める物語だからです。誠の心に目覚めた人間がどう生きるか、それは、新選組ファンの方なら、決してほかの道がない必然であることを感じて下さるはずです。
物語の秋飛は、新選組隊士の身体にのりうつってしまいます。けれども、男の魂と入れ替わったわけではありません。彼の魂は昇天しましたが、まだ温みの残っている男の身体に、秋飛は宿ってしまうのです。
そして、混乱と恐怖と新選組への愛に揺れ動きながら、秋飛は自らの魂が望む道を一途に進みます。そして、借り物の身体さえも愛しんで生きていくのです。
秋飛自身の身体がどうしているのか。それは、沖田総司の見た夢を解読すればわかるはずです。異世界に墜ちた魂が過ごす時間と、その人物本来が生きている現実の時間は、あきらかに時間経過が違っているのですから。
私の願いは、読者の方々の心の中にこそ、これからも秋飛が生きていてくれることです。
どうか、みなさま。愛しんで下さい、ご自分の人生こそを。人生を借り物にするもしないも、自分自身の魂の据え方なのです。私は秋飛から、そう教わったような気がします。
NHK大河ドラマ新選組!」の時代考証をされた歴史作家の山村竜也さんがこういって下さいました。「あの終わり方がいい。何より、清々しい。」と。心から、嬉しいお言葉でした。