お不動さま

先日、何年ぶりかで、木津川市浄瑠璃寺岩船寺へ行ってきました。浄瑠璃寺は三度目、岩船寺は初めて行き着くことができました。というのは、この二つのお寺はどちらも、電車で行くと、結構大変な道のりなのです。って、まあ、自宅から行くと大変という意味ですが。
いいお天気で、浄瑠璃寺で見た景色が強く印象に残りました。汚れのない真っ白な木蓮が、青空に向かって大きく花枝をひろげていたのです。それはまるで、自在心をあらわしたようで、仏さまのお姿にも似ていて、心があらわれました。白木蓮の花はまだつぼみでしたが、花が開いたらさぞ見事なことでしょう。そして、この浄瑠璃寺岩船寺には、それぞれお不動さまがいらっしゃったのです。
浄瑠璃寺のお不動さま↓
浄瑠璃寺で買った絵葉書(写真Atushi Naka)より
二十数年前、見も知らないお不動さまが私の夢枕に立たれたことがありました。その後、不思議なことがいっぱい重なって、夢の中で見たお不動さまに本当に出会ったのです。それは、高知の青龍寺の波切り不動さまでした。なぜ、見たこともないお不動さまが夢に出てこられて、どこのお不動さまかも知らなかったのに、なぜ招かれるようにそこへ行き着いたのか、今でもとても不思議です。そんなこともあって、私にとってお不動さまは特別な仏さまなのです。そのお不動さまに、一日に二度もお会いできるなんて、ほんとに幸せでした。
岩船寺のお不動さま↓
岩船寺で買った絵葉書(便利堂)より
いえ、二つのお寺の本堂には、山の中の小さなお寺なのに、それは素晴らしい仏さまがこんなにもいらっしゃるんだ!と驚くほどなのです。どちらも、お不動さまだけではないのですよ、もちろん。今は小さなお寺ですが、その昔は山全体が浄土と考えられたような霊地で、どちらも大きなお寺だったようでした。山の中にも石仏が沢山遺されているのです。
以前に来たときは、観光客もほとんどいらっしゃらなくて、貸し切りのような状態で、この素晴らしい仏さま方と向かい合ったのを覚えています。閑かな閑かなひとときでした。でも、今では観光客が沢山お見えでした。ちょっと寂しくもあり、嬉しくもあり。しばらく、仕事仕事で追われて、心や身体にたまっていた澱がさーっとあらわれたようで、とても気持ちが良かったです。お寺さまと仏さま、連れ出してくれた人に感謝しています。
追記。『月下花伝』『花天新選組』の新レビュー更新したばかりなので、3月19日の日記↓へ新リンクを追加更新しました。未知の方が本を買って下さり、読んで下さって、こうして感想やレビューを書いて下さる。ほんとに嬉しいことです。ありがとうございました。