究極の純愛、トワイライト

トワイライト 上 (ヴィレッジブックス) トワイライト 下 (ヴィレッジブックス)
これまで〆切で読めなかったので、資料以外の本を、ここ数日は「読む日」にして読んでいます。昨日と今日、読んだのは『トワイライト』上下です。映画を見て、原作を読んでみようと買ってあったのです。ようやっと、読めました。
まず、いいたいことは、思春期の女の子なら必ず愉しめるってことです。なにせ、超美形の吸血鬼(ヴァンパイヤ)のエドワード(永遠の十八歳!)から、命がけで惚れられるのは、これといって目立たない普通の女の子ベラなのですから。もう、女の子が大好きな設定ですよね。
しかも、このエドワードの家族がそろって美形の上に特殊能力の持ち主なのです。それら、世界一美形のヴァンパイヤ一家(むろん血はつながっていないけど)、世界最強の美男美女の彼らにひとり護られるお姫さまがベラなんですから。
でも、このベラがただのお姫さまじゃなくて、むしろ、運動音痴のドジな女の子であることがツボです。しかも、このベラはドジなくせに戦う少女なのです。ベラの一人称で語られているので、若い人には読みやすいし、女の子が自己投影しやすくなってます。
ただし、男性は苦手な小説かも。なにせ、延々一人称で、これでもか〜!というほど、乙女の恋心を聞かされるのですから。いや、エドワードがどれほどまでに美形かということも、数ページごとに繰り返されていますから、男性が読まれるなら、そこはご覚悟を!
映画を観た女性がこの本を読めば、おそらく、映画と同じ面白さを満喫できます。あ、たったひとつだけ、映画と違うところは、エドワードの美形ぶりを勝手に想像できる楽しさです。映画はどうしても演じる俳優さんの顔になってしまいますが、小説はどんなふうにも想像できるところが醍醐味です。といっても、ギリシャ彫刻のような完璧な美形だそうですから、妻夫木くんやオダギリくんのような日本が誇る黒髪の美形を想像できにくいところがちと残念ですが。海外小説だから、まっいいか。っていうか、ブッキーはどう考えても吸血鬼は似合わないけれども。
なるほど、徹底的に、思春期の女の子だけに的をしぼった物語だからこそ、世界のベストセラーになったのかも。そうか、的だな。と、つい、ひとりごとをいってしまった物書きRでございました。
このトワイライトはコミックのような絵表紙の本もあるけれど、本当に美しいエドワードに出会いたいなら、上の文庫版が最適です。こういう小説は絵がない方が愉しめます。