2010年・第56回青少年読書感想文全国コンクール課題図書の二冊

小学校高学年に、敬愛する岩崎京子さんの『建具職人の千太郎』が入っていました。素晴らしい本なので、嬉しいです!
建具職人の千太郎 (くもんの児童文学)
以前、拙ブログ、京都新聞紙面や季節風でもご紹介したので、文言の一部をここへ貼り付けますね。
「歴史物、時代物で、小学生向きといえば、岩崎京子さんの『建具職人の千太郎』(くもん出版)『花のお江戸の朝顔連』(学研)『花咲か―江戸の植木職人』(石風社)など。これらは、緻密な取材によって浮き上がってくる江戸情緒、当時の暮らしのリアルさにおいて特筆にあたいすると思います。しかも、小学生でも読める簡潔で気品のある文章は素晴らしいです。一般書として出ている岩崎さんの『久留米がすりのうた 井上でん物語』(石風社)もまた、幕末を生きた少女、井上でんを描いた上質の伝記でした。これらに登場する少年少女は庶民ですが、その精神の質実剛健ぶりからいえば、サムライよりさらに見事な職人魂を描いています。現代の少年少女、いえ、大人も含めて見習うべき日本人の魂の在り方が鮮やかに立ち上がってくるのです。」(季節風・春の分科会越水レポートより)
2009年にご紹介した記事
さらに、中学高校枠では、季節風同人の八束澄子さんの『明日につづくリズム』が!
明日につづくリズム (teens’ best selections) 
この物語は、人気バンド、ポルノグラフテイの「因島凱旋ライブ」の感動から生まれたのだそうです。ポルノグラフテイの歌が物語を彩っていて、それが、物語に愛とリズムを感じさせてくれます。現在の人気バンドがそのように取り上げられているにかかわらず、真摯な書き手である八束さんは「決してかれらの人気にあやかるような物語にはしたくない」という思いで書かれたそうです。作家魂、ここにあり! です。八束さんの書かれる物語はいつも清々しく澄んでいます。澄んだ心、澄んだ景色、澄んだ瞳……それらに出会いたかったら、八束さんの物語を読んでみてください。