咲き折れ花とわたし


陽に向かい、咲こうとして、倒れたり折れたりする花が庭にはたくさんあります。
それは、日当たりのいい庭ではあまり起こらないことです。陽が差す時間が短い、日当たりの悪い庭だから、花たちはよけいな苦労をしなければなりません。
陽の光を追ってくねくねと折れ曲がって、もつれて……それを見ていると、わたしみたいだなあと思います。
それで、せっかく蕾をいっぱいつけたのに、ぽきりと折れてしまう花を見ると、わたしはあわてて折れた花を拾って、花瓶に挿します。
残り短い命でも、花を開いてほしくて。
「こんな日当たりの悪い庭に植えてごめんね。」と、花たちにはいつも謝っているわたしです。
苦労をかけた花たちに慰められているわたし、花たちには「ありがとう」「ごめんね」しかありません。
だから、いつか、日当たりのいい庭に植えてあげるからねと、約束しています。
それぐらいの夢、わたしたち、見ていいよねって。
花たちはさらさらと笑って、そうだね〜 できたらね〜 って風にゆれてます。
今日のわたしと花の会話。