『ここは京まち、不思議まち』と『のぼうの城』

ここは京まち、不思議まち 真夜中のネコ会議 (講談社青い鳥文庫) 『ここは京まち、不思議まち』著・服部千春
京都の商店街には、おぼこさん猫がいる。おぼこさんとは、その店を護り続けるこの世のものではない何か、その者たちが憑依した猫たちの言葉がわかってしまう愛香は、担い手と呼ばれている。つまり、おぼこさん猫たちのお世話係。
「わたし、担い手なんかやりたくないんですけど〜」と、愛香は思っているが、またも巻き込まれるおぼこさん事件!
今や、京の町でも珍しくなった下駄屋さんを舞台に、人情味豊かな京の人々が登場する。どうも、言葉は柔らかいけれど、ちょっと冷たい京都人のイメージが作られ過ぎているので、こういう物語はもっともっと子どもたちの本にあってほしい。実際、京の町に住む著者が、古都から得た発想をもとに紡ぐ不思議物語2巻目。いよいよ筆がのってきました。小学中級から。

のぼうの城 『のぼうの城』著・和田竜
面白うございました。ごちそうさま〜 といいたくなる一冊。近く映画化もされるようです。登場人物が個性豊かで、これが一番良かった。決して、人間ができているなんて人はいなくて、誰もかれもが人間臭いところが魅力です。
織田信長派の私は、信長の系譜を断ち切った秀吉さんに文句を言いたいこと多々あり。よって、その秀吉の大軍に立ち向かったのぼうの城の人々が爽快でした。でも、豊臣がたの石田三成のとらえ方もまた、違う意味で爽快でした。一般小説。