魔界同窓会!?

若おかみは小学生!PART14 花の湯温泉ストーリー (講談社青い鳥文庫)若おかみは小学生!(14)』作/令丈ヒロ子
春の屋旅館に住みついた魔物、鈴鬼(すずき)のピンチを救うため、立ち上がるおっこ。「魔物が喜ぶことをすれば、鈴鬼が魔界に連れ戻されずにすむ」と知ったおっこは、鈴鬼のために「子魔鬼寺子屋同窓会」をお世話することに…。
ところが、幹事は、死似可美(しにがみ)。打ち合わせ中から、春の屋旅館はトラブルが続出し始める。
どんどん読めます。子どもが読みやすい文体。でも、日本語として、ちゃんとしているのが令丈さんの技。さりげなく、バカうまっ焼きそばレシピなども挿入されているところがツボ。美味しそうなんだなあ、これが。
小学中学年以下の児童書には、食の描き方は大事な部分なんですよね。このシリーズがベストセラーになっているのは、物語の面白さもさりながら、こういうお楽しみが随所にあることも大きいのかも。って、分析はできても、なかなか、まねして書くことは難しいのが児童書。大人の読み手が難しい漢字や言葉を使ってないからって、なめてかかるのはいけません。中学年以下の子どもたちがお小遣いで買ってくれる本を書けるって、凄いことなのですよ、ほんと。