『ドラゴニア王国物語』みおちづるさんの新刊

ドラゴニア王国物語 (カドカワ銀のさじシリーズ)

ドラゴニア王国物語 (カドカワ銀のさじシリーズ)

頼まれた荷を届ける「走り屋」の少女リンディは、ある日、王城の竜術師から荷を託される。それは、ドラゴニア王国の命運を左右するという王竜の卵だった!走り出したリンディを次々と襲う困難、そして後を追う竜騎兵―
竜術師見習いのアッシュ、謎の男ゼオンに助けられながら、リンディは荷を届けるため、王国の未来のため、命をかけて走りつづける。(amazon/BOOKデータベースより)



久しぶりのハイファンタジー、いやあ、面白うございました!
走り屋のリンディがとってもいいです。次々襲いかかる試練、魔の手、敵勢をくぐって走るリンディ。
それを助けてくれる放浪の竜術師ゼオン(個人的に一番好き!)、さらにその弟子の少年アッシュ。
いいぞいいぞと思って読みました。
なにより、人と竜が共に暮らす不思議の国、ドラゴニアの竜術がなんとも素敵です。


獰猛さと叡知をあわせもち、時空を見通す力をもつ竜。
その竜と人が、互いに侵し侵されることなく「共に栄え合うための契約」、それが竜術なのです。


腐敗し利権をむさぼる者たちとの闘いは、まさに、現代日本の現状とも重なって、唸ってしまいました。
いい作品とは、それを意識しなくとも、リアルな人の心、人間の世界が描けているものですね。ファンタジーこそリアルなのだと、あらためて思ったことでした。
闘う少女がお好きな方、美少年が大好きな向きも、渋い男がタイプの方にもおすすめ。竜好きの私にも、たまらん本でした。


「竜との契約、してみたい〜」と、少年少女はきっと願うでしょう。
読者対象は、中高生以上かな。
でもこのブログに来てくれる子なら、小学高学年あたりから大丈夫かも。

※ご紹介したい本が沢山あるのですが、今週は「季節風春の研究会」があり、夏前の〆切複数ありで、ゆっくりのご紹介になりそうです。ここは評論ブログではなく作家の趣味ブログなので、本のご紹介は、ここを見て下さっている作家さん中心になります。どうぞご理解下さいまし。