『あの日、ブルームーンに。』宮下恵茉

あの日、ブルームーンに。 (teens' best selections)
若さってこんなに激しく、切ないものなのだろうか。
こんなに一途で、残酷なものなのだろうか。
読み終えた今胸がいたい。
そして、温かい。
           ------あさのあつこ------
学校で一人ぼっちの結愛(ゆうあ)。「早く卒業したい」そう思ってばかりいた中三の春、金髪の男の子に、初めての恋をする。とまどいの中、ブルームーンに祈りをかけた結愛の想いは……。炭酸水のようにあまく喉を、胸をこがす、極上の青春ストーリー。(「BOOK」データベースより)

いやいや、まずいいたいのは、よくやった!ってこと。
恵茉ちゃんは、同人プレアデスの後輩であり、童話講座で指導したこともあったけど、そんなことで、もう師匠面はできません。恐れ入りました〜 
おそらく、この作品は、宮下恵茉という作家の分岐点になるのではないかと。むろん、これまでの恵茉ちゃんの作品も良かったけれど、これはもう、断トツでした。
まさに、あさのあつこさんの帯の言葉がそのまま、私の感想でもあります。
ことに、中盤から結末にかけての物語の展開が予定調和におさまらず、ドキドキ読ませて素晴らしかった。YA好きには、たまらない作品かと。主人公だけでなく、脇役までに、そそがれる作者の愛に感動です。登場人物を愛しなさいって、いつでもどんな時も創作教室ではいってきました。そう、答えの一つが、この物語にはありました。
透明で、一途で、美しい物語です。YA好きの読者にも、これからYAを書きたい人にも、おすすめの物語です。
でかしたぞ、恵茉ちゃん!