『恐怖通信 鳥肌ゾーン』

恐怖通信 鳥肌ゾーン 1 コックリさん

恐怖通信 鳥肌ゾーン 1 コックリさん

――真夜中に目をさました“ぼく"は、父親の仕事部屋にしのびこむと、机のうえであやしげな光をはなつ、パソコンの方へひきよせられていった。画面を見ると『恐怖通信 鳥肌ゾーン』のトップページ。「入場」ボタンをクリックしてあらわれたのは、全国各地からよせられた、背筋も凍る恐怖体験の数かずだった――。ほんとうにあったという不思議なできごとや、おそろしい体験を書きのこし、世間に伝え、残していこうという「怪談実話」の世界。(内容紹介より)
怖いです。まず、絵が……そして、導入部の『恐怖通信鳥肌ゾーン』が……!
でも、これは、お話への入り口に過ぎません。ここから始まる怪談は、大人の怪談を書かれている作家さん、怪談実話を蒐集されている作家さんたちの怖い話が手を変え品を変え、ぞろぞろと……。執筆作家は、黒木あるじさん、黒史郎さん、小原猛さん、水沫流人さん、朱雀門出さん、松村進吉さん、田辺青蛙さん、伊計翼さん、小島水青さん、勝山海百合さん、安曇潤平さん。絵が、にじぞうさんです(うう、お名前だけで怖い…)。
どうぞ、編纂の東雅夫先生が仕組む鳥肌ゾーンをお楽しみ下さい。
巻末の東先生のあとがきに、素敵な言葉がありました。
「さてもさても人生には夢がほしい。淋しく暗く恐ろしい夢ほど恋しい」(平山蘆江
優れた怪談は、子どもたちの心に、未知の世界への夢と憧れを育みます。

……と。
そう、怪談は、ロマンでもあるのです。だから、どんな世になっても途絶えることがないのですね。