(←2012.7.13 毎日新聞

もともと、私は確固たる政治思想や支持政党があったわけではありません。その時々に、大切な何かを守ってくれそうな人に投票してきただけでした。
でも、原発事故後(福島ではなくチェルノブイリ事故後)からは、原発に対してはずっとやめるべきと思ってきましたし、福島の事故後は、これまで比較的いい国だと思ってきたこの国が、被災者を救うより、既得権益のある人々のためだけに原発再稼働、推進をすすめようとするのには、深い哀しみと怒りを感じました。
私は、母であり児童書作家であるからこそ、子どもをむしばみ、子どもを戦場へ送る動きにだけは、どうあっても反対なのです。
日本と同じく戦争放棄憲法を持つイタリアでは、 映画「ライフ・イズ・ビューティフル」で、アカデミー主演男優賞を受賞したロベルト・ベニーニさんが、「私たちの憲法は美しく、生きている。そしてまだ若い……イタリアに住むものは、ウサギだって戦争を絶対に放棄するということだ……」とおっしゃったことが記事になっていました。
イタリア憲法は、11条(戦争放棄)を含め1〜12条は「改正対象」にしてはならない「基本原則」が定められているそうです。(2013.6.28 朝日新聞より)