『ふるい怪談』著/京極夏彦 絵/染谷みのる(角川つばさ文庫)

ふるい怪談 (角川つばさ文庫)

ふるい怪談 (角川つばさ文庫)

お侍のNさんがお化けを見た!? トイレの中に20年も入っていたIさん。家族の悩みを狐に相談する幽霊。猿にマッサージされたFさん。猫になってしまったSさんの奥さん。幽霊が作った団子。15日間、毎日化け物がやってきたIさんの家。夜に頭を叩きにくる大亀…。江戸時代に人々から聞き集めたふしぎな体験談を、今風にアレンジ!ちょっと怖くてかなり面白い、新しく書かれた、ふるい怪談! 小学上級から。(BOOKデータベースより)
いやいや、この本はすごいです。
怪談小説や、こわい絵本で超有名な闇の貴公子、京極夏彦さまが書いて下さった児童書ですよ!
この物語の原典は、江戸時代に書かれた「耳嚢」(みみぶくろ)という摩訶不思議な本です。この「耳嚢」は、創作の本ではなく、江戸時代に奉行も務めたことのある教養のある武士が書きとめた聞き書き本なんです。そう。まさに江戸時代の都市伝説とでもいいましょうか…
それを、京極夏彦さんが、子どもにもわかるように、面白く書いて下さったのが、この本!
これだけでも、絶対読んでおきたい一冊ですよね〜
内容は、ここで語り尽くせないほど、多種多様です。
恨みをのこした人の幽霊だけでなく、大亀の恨みのお話もあります。河童、キツネ、猿、さらにしゃべる化け猫……それに、江戸時代の人々が、Aさん、Bさん、Cさん……Iさんとか、仮名で呼ばれているのも面白いです。江戸の人たちが、現代人にぐっと近くなったみたいで。中でも、Iさんは、大物ですよ!(読んでのお楽しみ〜♪)