「週刊プレイボーイ」の3・11震災怪談特集の素晴らしさ


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正直、この週刊誌を買ったのは初めてです。
この週刊誌は男性の娯楽誌であり、女性目線では、きれいな女の子がまた脱がされちゃったんだ…っていう印象しかなかったのですが、いやはや、大間違いでした。
編集部は、こんなに大切なテーマを追って、しかも、この人しかない!というような方々に取材して、記事にして下さっていたんですね。
震災怪談というと、どこか、興味本位、不謹慎というような声が聞こえてきそうですが、それこそが、あの震災の痛みを共有しない安全圏にいた第三者の上から目線に過ぎないと、正直、自分を含めて反省したような次第で……。
何より、この特集を読んで頂けば、私のいう意味を理解して頂けるかと思いますが、ここで、ご紹介しておきたいのは、怪談文学の第一人者と呼ばせて頂きたい東雅夫さんのコメントです。
「震災怪談は不謹慎」か?というテーマに、東先生が答えていらっしゃいます。
「慰霊と鎮魂の文芸、それが怪談なんです」と。
「被災地の怪談は、肉親との絆を確かめたり、無念な思いを伝えたりするために現れ、人を怖がらせたり、驚かせたりしない『ジェントルゴースト(優しい幽霊)ストーリー』が多いですね…」と。
その後に続く、一言一言、それらのすべてに、私は深く感動しました。ご縁があって、作家として、東先生に出逢えていた幸運を、心から感謝しました。
ともかく、ここで語るより、ぜひ、皆様、この本を買って読んで下さい。
特集の検証をなさっている作家、黒木あるじさんも、さすが、東北の作家さんです。素晴らしいです。

正直、この3/15に、子ども向きの怪談の〆切を抱えている私にとっても、神さまがさりげなく落としてくれたプレゼントのように感じました。これまで、怪談を書くたびに注意していたこと、「怪談は、恐怖はあっても、死そのものへの差別があってはいけない。あらゆる霊現象や死者への敬意がなくてはいけない」という考えが、間違ってはいなかったのだと感じられたことも、書き手としてはありがたかったです。
どんな怖い思いも、それを体験することで、今はこの世になきものの痛みや苦しみを共有し、鎮魂するという結果に繋がっていく。それが怪談なのだと……。ありがとうございました、東先生、黒木あるじさん。