『あん』#ポプラ社 著/ドリアン助川


心温まり、さらに生きる勇気をもらえる一冊でした。
実は、『あん』はずっと前に買っていた本なのですが、〆切に追われて読めずに、ブログアップする余裕もなく、おまけに読みたい沢山の本の中にまぎれて、買ったのを忘れて、もう一冊買ってしまったようなポカまでやってしまいました。でもまあ、それはどうしても読みたい一冊だったからです。
この本を読んで、お月さまの声を聴けたような気がします。人はなぜ生まれ、どう生きればいいのか? その答えはきっと沢山あるのでしょう。けれど、私にとっては、この一冊の答えが深く胸に沁み通りました。あらゆる人を……いえ、この世界に生まれた草や木々や、虫や動物といった森の生き物、その命の全てを癒し、包み込むような答えがありました。それは、私が書いた『忍剣花百姫伝』の「地球(テラ)の風」のようでもあったことも嬉しく感じました。
読んでいる中、映画「あん」の徳江さんを演じられたという樹木希林さんの顔も浮かびました(映画はまだ観ていないのですが…必ず観ます!)。そして、この答えは、急逝なさった希林さんへも、そっと囁きかけられているような気がしました。ドリアンさんには、ある意味、辛い仕事でもあったでしょうけれど、そういうものを書く為に私たちは書き手になったのかもしれないと思いました。老いも若きも、人生に疲れている人におすすめの一冊です。※下記の本も他ページ(6/10・7/24など)でご紹介しております。
線量計と奥の細道

線量計と奥の細道

忍剣花百姫伝(一)めざめよ鬼神の剣 (ポプラ文庫ピュアフル)

忍剣花百姫伝(一)めざめよ鬼神の剣 (ポプラ文庫ピュアフル)